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結局、体が資本です

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保健師だから、つい気になってしまうこと。
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災害時の救世主。

この度、日清食品さんと小林製薬さんが、「カップヌードル 残ったスープ固めるパウダー」なるものを共同開発したらしい。 これは、非常用バッグに即投入! と思ったら、現時点ではまだ非売品で、カップヌードルを買ったら一個付いてくる、というキャンペーン段階らしい。 しかも、このパウダーの対象になる商品もまだ限定的のようで、何にでも使えるとは限らないとか。 キャンプなど、いろんな場面でも使えると思うけど、私としてはさらに改良を重ねて、是非とも災害時のために実用化して欲しい。 と

痩せ薬。

防風通聖散とか、いわゆる痩せ薬を服用している方の保健指導がここ最近続きました。 薬のおかげで痩せた!という方達もいるけど、痩せたい、というモチベーションがあれば、自然と食事と運動などの生活習慣改善を意識するもの。結果としては、相乗効果でダイエットに成功したに違いありません。 漢方薬は基本的に体質改善に使用されるもので、飲んでるだけで脂肪が減り続ける、なんてことはないのです。 痩せたかどうか、ではなく、薬のおかげでなんとなく体調が良くなって、だらだらせずに活動できるように

愛しのレジリエンス。

レジリエンスとは、「しなやかな強さ」「外からの圧力が加わってもポキッと折れず、元に戻れる力」のことで、言ってみれば「うまく適応する能力」。 元々は物理用語で、反発性とか弾力性とかを意味する言葉みたいです。 わたしはたぶん、レジリエンスがあるほうだと思っていて、荒波に揉まれても、 きっとなんとかなる! って思えるタイプ。 もちろんその時はちょっとキツイですけどね。 若かりし頃は、レジリエンスなんてなかった気がするけど、子育てや仕事をしながら強くなってきたというか、図太く

PFCバランス。

PFCバランスとは、ちゃんというと「エネルギー産生栄養素バランス」のこと。 カロリーをもつ栄養素は、タンパク質、脂質、炭水化物だけで、それぞれ1g当たりのカロリーは4kcal 、9kcal、4kcal。 そして、この栄養素のとり方には、適切なカロリー比というのが存在しています。 タンパク質:13-20% 脂質:20-30% 炭水化物:50-65% わかりやすく一食の食事を1000kcalとすると(摂りすぎですが!)、 タンパク質:130-200kcal( 32.5-50

自殺対策、勝手にキャンペーン特別延長編 「自死遺族」

また有名人が自らの命を絶ってしまった。 有名人だから大きく報道されるけど、最近の社会情勢を踏まえれば、同日に自ら逝ってしまった方がほかにもいらっしゃるんだろうな…と思ってしまう。違ってて欲しいけど。 今回は「自死遺族」に対する疑問の投げかけや中傷がちょっと気になってしまった。 自死遺族とは、家族を自死で亡くした遺族のことで、広義では近しい知人も含む。1人の自死により平均5〜6人が自死遺族になるそうだ。 そして、現状まだまだ自死が特別視されているが故に、自死遺族の苦しみ

祖母の薬の量。

祖母がまだ生きていた、今から10年程前のお話。 祖母を介護していた叔母が、祖母が残した食事を片付けながらボソッと呟いた。 「薬でおなかがいっぱいになって、ご飯が食べれないみたいなんだよね。」 薬の量を確認すると…なるほど、結構な量。しかも、この錠剤や散剤を、もう細くなった祖母が制覇するには大量の水分が要るはずだ。しかも、食後の満腹感で服薬できなくなることを心配して、食後の薬まで食前に飲むようにしているのだとか。 もちろん、次回受診日にドクターに現状を相談するよう叔母に

自殺対策、勝手にキャンペーン③ 自死を選択する人の悩みの「数」

毎年9月10日~16日は自殺予防週間です。 芸能界の自殺者が後を絶たない。今日もそんなニュースをやっているみたい。 元自殺対策担当としては、力不足を感じずにはいられない。まだまだやらなきゃいけないことがあるな〜 「仕事が大変すぎたみたいよ。」 「子育てで悩んでたみたい。」 「借金を抱えてたみたいね~。」 憶測したらキリがないけど、実は、自死を選択した人の悩みの数はひとつではないことが多い。 NPO法人ライフリンクが行った「自殺実態1000人調査」によれば、自殺時に抱

自殺対策、勝手にキャンペーン②「ズルしてもいいよ、逃げたっていいよ」

9月10日から16日は自殺予防週間です。 まずはこちらをお聴きください。(数年前に自殺対策のキャンペーンソングとなった、約5分の素敵な曲です) 新学期が始まる季節は、生徒さん、学生さんの自死がとても多くなります。最近もそんなニュースをよく耳にし、とても悲しいです。 ズルしたって、逃げたっていいんだよぉ! まずは3人の大人に、ツライと打ち明けてみよう! 1人でも2人でもなく、3人にだよ! 残念ながら、話を聴くのが苦手な大人もいるのです。ごめんね。 だから、必ず3人

自殺対策、勝手にキャンペーン①「聴いてくれてありがとう」

「9月10日から16日は自殺予防週間」と自殺対策基本法で定められています。 今年はコロナで自粛ムードかもしれませんが、各自治体では毎年この時期に合わせて、相談会やこころの健康セミナーなどが開催されています。 バブル崩壊後、我が国の自殺者は一気に30,000人を超えましたが、法律や制度が急ピッチで整えられ、現在は約20,000人にまで減少しています。 とは言え、20,000人です。 およそ25分にひとりが、自らの命を絶っている計算です。 自殺を考えている人は、楽になり

江戸時代から、とっくのとうに分かっていたタバコのこと。

「養生訓」を著した江戸時代の医師、貝原益軒をご存知ですか? 彼はその中で、タバコについてこう書いています。 たばこは近年、天正・慶長の頃、異国よりわたる。痰婆姑(たんばこ)は、和語にあらず。蛮語也。近世の中華の書に多くのせたり。又烟草と云う。朝鮮にては南草(なんそう)と云う。和俗これを、莨とう(ろうとう)とするは誤まれり。莨とうは別物なり。烟草は性毒あり。烟をふくみて、めまひ倒るる事あり。習へば大なる害なく、少しは益ありといへども、損多し。病をなす事あり。又火災のうれひあ

保健師的、食費の考え方。

色々な節約情報がネットや雑誌に溢れています。真似したくなるものもたくさん。 でも時々、「ん?本当にそれでいいの?」と思うことがあります。 あれもこれもモヤシでカサ増し、とか、安いバラ肉を大量買い、とか。 モヤシにも立派に栄養素はあるけど、大量使いでお腹が満たせればいいの? バラ肉安くても、飽和脂肪酸いっぱいだよー!(悪玉コレステロール上がりますよー!) 外食を減らすのもいい節約方法ですが、それでおうちでハチャメチャな食事をしてしまうのなら、定食屋さんで、好きなメニュ

熱中症…ちょっと心配な人々。

環境省と厚労省が、今年度の熱中症予防行動についてリーフレットを作成しています。 これまで両省が連名でこういう類のものを作成していた記憶はありませんが、こんなご時世なので意味のあることだと思います。 熱中症は本当に怖いです。 ニュースなどでは、熱中症で倒れて搬送、なんていうところまでしかアナウンスしないことが多いのですが、重症になると本当に大変です。 意識レベルの低下、全身性痙攣、肝・腎機能障害、血液凝固障害、さらに進めば多臓器不全を起こして高確率で死亡します。回復して

SDGsと保健指導の狭間で。

SDGs12「持続可能な生産消費形態を確保する」 これは2015年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の12番目の国際目標であり、主にゴミ問題や浪費、そして食品ロスなどの課題に対するものだ。 実は、これとの狭間で葛藤することがある。外食の多い方への減量指導の中では、食事を残すことを勧める時があるからだ。イコール、食品ロスの推奨である。 もちろん私としては本意ではない。祖父母は農家で、日の出前から働いていたし、祖父に至っては60代にして早くも二つ折りに

Smile Loss

マスク生活を強いられるようになって久しいけれど、最近すごく思うことがある。 わたし、スマイル・ロスかも…。 そのマスクの裏側にある笑顔に会いたい。 っていうか、そのマスクの裏側、ちゃんと笑顔でいてくれてるよね? 視覚的にわかる相手の笑顔がこれほどまでに大切だということを、今回のこの事態で、改めて実感した。 声だけ笑ってるだけで、顔は笑っていないんじゃないかって、ちょっと不安になるようになった。 そして、逆に言えば、わたしが話している相手もそんなふうに思っていたりす