「スタンフォード式 最高の睡眠」 / 西野 精治

もはやスタンフォード式やハーバード流は巷に溢れすぎていて、「全米が泣いた」程度の効果しかないだろと思いつつ、それでも睡眠の質を高めたいと思い手に取ってみた。

睡眠は入眠してからの90分がゴールデンタイム。所謂、最初のノンレム睡眠。ここの質を高めれば自ずと睡眠のリズムが整い、翌日のパフォーマンスも上がる。ポイントは睡眠の際に深部体温を下げ、皮膚温度との差を縮めること。どうやらお風呂に入るタイミングとしっかり浸かることはかなり重要らしい。40度のお風呂に15分浸かれば深部体温が上がり、上がった反動で眠る間際には深部体温をしっかり下げていくことができるようだ。

本の中盤まで睡眠の効能が懇々と説かれ、後半で漸く具体的な睡眠の質を高める方法に入る。この手の本を読む人はそもそも睡眠が大事だと分かっているから手に取るのであるわけで、少しじれったい気持ちにさせられた。
全体的に「〜思われる。」で一文を締めることが多いのは、睡眠の謎がまだまだ解明できていないのだろう。

だが、この本に書かれているメソッドは信用できそうだ。なぜなら世界でいち早く睡眠医学に注目したスタンフォードで、睡眠研究を30年以上行っている著者の経験と様々な研究結果から導かれたエビデンスが提示してあるからだ。

著者は最後にこう締めくくる。
「睡眠を犠牲にして働くのはやめておこう。とくに、あなたがクリエイティブな仕事をしたいのなら。」

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