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東京女子の高校受験はツラいよ

先日、とある受験塾の先生が Twitter でこんなことをつぶやいていました。

結論から言いますと、心の底から同意です。
その理由を順を追って説明していきたいと思います。

新型コロナウイルスの影響が家庭の経済面を直撃したいま、中学受験から高校受験へと照準が変わる大きなうねりになることは十分考えられます。中学受験塾は高校受験塾に比べて金銭的な負担が大きいだけでなく、親の直接的・間接的関与も小さくなく、学習管理をアウトソースすることや一時的に仕事の負荷を下げて対応にあたることも少なくないからです。

また、2020年4月から私立高校へ進学する家庭への国からの支援が拡充されました。さらに東京都では独自に助成対象世帯の拡大、軽減額上限の引き上げを実施、経済面から考えたときの私立高校への進学のハードルはグッとさがっています。ただし、ポイントは、あくまでも高校からという点。私立中学への進学に対しては支援はなされないのです。この点からも私立中学への進学を断念するご家庭がでてくるとしてもおかしくないと考えています。

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もし東京で上記の松本先生の見立てが当たり、高校受験の倍率が高まった場合、大きな影響を受けるのは「難関」の「進学校」を狙う「女子」であると断言できます。

もともと東京の私立女子校は完全中高一貫校が多いことにくわえ、高校募集を実施していた学校も募集停止を発表するところが相次いでいます。激震が走ったのは豊島岡女子学園。2022年に停止と発表がありました。

高偏差値女子の有力併願校だった豊島岡が撤退すると、都内の同ランク帯の私立女子高は慶應女子の1校のみとなります。また共学校を見渡しても、早実、青山、明大明治、ICU、中央、中大杉並、中大附、明中八王子…と大学付属校ばかり(※ICUは大学付属ながら外部への進学が6~7割とのご指摘を受けました。ありがとうございます)。大学受験で国立大学への進学を考えている受験生にとっては選択肢とはなりづらいのが正直なところです。

では、大学付属校ではない有力な共学進学校はどうか。広尾学園は2019年入試から本科コースの募集を停止済み(インターナショナルコースと医進・サイエンスコースは継続中)。そして千葉の渋谷幕張も近いうちに募集を停止するとウワサされています。こうなると残るは、千葉の市川や昭和秀英、埼玉の栄東くらいなもの。なんとビックリ、東京はスッカスカです!

ということで、「東京」の「難関」「進学校」を狙う「女子」が高校受験で取れる現実的な選択肢は以下のようになります。

・都立難関校(進学指導重点校)
 -  日比谷、西、国立、八王子東、戸山、青山、立川
・国立附属校
 -  筑附、学芸、お茶女大附、東工大附
・私立進学校
 -【東京】広尾学園(※本科はなし)
 -【千葉】(渋谷幕張)、市川、昭和秀英
 -【埼玉】栄東

都立や国立はそれぞれ1校ずつしか受験できませんので、"押さえ"となる併願校を増やそうとすると、もはや大学付属校から選ばざるをえなくなります。現実的に。

以上が2020年現在の、東京の女子の高校受験を取り巻く状況です。

「やっぱり状況が許すなら中学受験一択じゃん…」が合理的な解であるとは思います。が、不確定要素として、いくつかのムーブがあるにはあります。そうした環境変化を見据えつつ、今後の東京女子の高校受験戦線がどのようになっていくかの「もしかしたらのシナリオ」を、以下、全力妄想100%でお届けしたいと思います。

妄想がひとり歩きしていろんなところで火種になるのも悲しいので、この先は有料ゾーンにさせてもらいたいと思います。目次を載せておきますので気になる方はぜひご購入ください。

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