見出し画像

連載?小説「生まれつき耳が異様に長いだけの日本人なので色々と勘違いされる件」

「寒い」「会社行きたくねー」「てか帰る」「びーるなう!」
俺のSNSのタイムラインはこんな感じだ。
今日は冷え込みが特に厳しくみんな縮こまっている。しかし俺はUNIQLOのヒートテックの1番分厚いやつを2枚着てるのでホカホカだ。ダウンももってたが電車の中は暑すぎるのを知っているので脱いでいる。もちろんUNIQLOだ。

俺の名前は松丸ケンイチ。45歳。氷河期世代にしてはかなり恵まれた職場で働いている。残業はすくない。妻子はいないが童貞でもない。まあお店でしたことはあるが、それ以外は普通だ。顔はお笑い芸人の「なだぎ武」に似てるとよく言われる。

否、普通ではないな。

俺は生まれつき耳が長い。10cmぐらい人より横に長い。そのせいでよくファンタジーのエルフのコスプレイヤーと間違われるが、魔法も使えないし普通に老ける。もちろんこの社会は異世界とも繋がってない。
しかしこの耳のせいで化け物扱いされたり、妙にチヤホヤされたり、SNSで有名人になったりしたがサラリーマンを選んだ。やはり浮き沈みの激しい人生より安定した人生の方がいいと思うからだ。

向こうから子供が指をさして「あー!ようせいだー!」と大声で言っているが母親らしき女性が必死にとめている。いつものことだ。

そんな俺の日常が今日も始まる。
信号機が青になったので渡る。もちろんトラックにも轢かれない。平凡大歓迎。多少ストレスで鬱になってた時期もあるが今は薬で寛解してる。

しかし俺のこの事情をしらない奴らからはいつもうざいぐらいの好奇心でジロジロみられる。

タイムカードをおしてデスクにつく。同僚は俺のことに慣れてるからいちいち耳の話題には触れないが、酒を飲むと「おいエルフ」と絡んでくるあたり、やはりキワモノ扱いなのだろうか?
せめてものすごいイケメンだったらよかったのに。



こんな感じで小説もどきを書きましたが、連載するかは謎です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?