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世界かんがい施設遺産。菊池のかんがい用水群。先人の思いが世界の宝に

皆さんは熊本県菊池市内に4カ所ある用水路
「菊池のかんがい用水群」をご存じでしょうか?

実は2019年に「世界かんがい施設遺産」に登録されている史跡が菊池にあるんです!

世界灌がい施設遺産とは?

世界灌がい排水委員会(ICID)が建設から100年以上経過し、かんがい農業の発展に貢献したもの、卓越した技術により建設されたものなど、歴史的・技術的・社会的価値のある灌がい施設を登録、表彰しているものです。

菊池で登録された井手は「築地井手」菊池市原にある「原(はる)井手」菊池の今村にある「今村井手・宝永隧道」そして古川にある「古川兵土井手

こちらの「築地井手」はおよそ400年前、1615年の江戸時代の初期に熊本の名将、治水の名人、加藤清正によって築造されました。
その後土木技術も発達し地元総庄屋の河原杢左エ門によって1701年に原井手が、1705年に宝永隧道が築造されます。
河原杢左エ門の銅像は、旧河原小学校の中にその功績を称えて銅像が置かれています。


原井手くだりアドベンチャー「井手ベンチャー」

「原井手」は今では、夏季限定でイデベンチャーと題して、カヤックで水路を下って楽しむレジャーとしても親しまれています。


私も体験しましたが、水路のお水は綺麗でとっても冷たく最高に楽しい⤴

時にはこ~んなトンネルを潜ったり!!抜けると眩しい青空が広がっていました!…森の中を駆け抜けるカヤックは最高に楽しいです♪ 


残念ながら昨年に続き新型コロナウイルス感染症の影響で今年は中止されています。またの再開が楽しみです♪

築地井手

菊池の中心部にある菊池グランドホテルの前から続いているのが「築地井手」。


井手の幅は広く、当時の石垣がそのまま残されている所も多いです。
春は井手沿いの桜も楽しめます^^

井手の周囲には、大正時代に建てられた加藤清正公の像や、菊池一族の時代の輪足山東福寺、22代菊池能運の墓などが所在し、歴史的情緒も♪

加藤清正橋

こちらは井手に架かる加藤清正橋

ここを渡った小高い所に「加藤清正像」があります。


まるで築造した井手と、その治水により豊かに育った稲や、町並みを見つめて微笑んでいるかのようです…

菊池五山の一つ「東福寺」

こちらは加藤清正像の近くにある東福寺


天慶元(938年)創建といわれていて、15代菊池武光公の時に菊池五山の一つに定められました。今の本堂は江戸時代後半に建て直されたそうです。
春になると境内には珍しいアイラトビカズラを見ることが出来ます。

この東福寺から見える、中央の大きな木。ここは13代菊池武重公の墓です。
田んぼの中にぽつりと建てられています。

菊池一族第13代 菊池武重公の墓

近くなので行ってみましょう♪
墓の前にも水が分けられた水路があります。

入口に大きな木が二つ。
以前この木に雷が落ちたことがあり、その跡がくっきりとわかります。

13代当主菊池武重公は、12代武時公の長男。
ここだけ、木々の木陰が広がり、風がふ~っと吹き抜け、今もひっそりと菊池を見守ってくれているかのようです。


父が後醍醐天皇に尽くした忠義を評価され、肥後守に任命されました。
武重は天皇の側近として京都に残り、足利尊氏ら武家方と戦います。
新田義貞とともに加わった「箱根・竹ノ下の戦い」で、自軍の3倍の敵を打ち破る画期的な戦法を発案します。

日本初の集団槍戦法「槍ぶすま」。
1000人の兵で3000人の敵兵を倒したと言われるこの戦法は、後に「菊池千本槍」として語り継がれています。現在、菊池女子高校には郷土芸能伝承部があり、菊池千本槍などの演武を各地で披露しています。

さて井手沿いに戻り…
奥まで進むと、川沿いに水神さんがあります。

築地区水神さん

水の守り神として祀られ、大きなご神木も。
ここも木陰が広がっていって、涼しげな広場になっています。

水神さん横の橋げたを見ると石橋だった事がうかがえます。

この井手があるお陰で、水が各地に分けられ、田畑が潤ってきました。
実は町中には今でも井手が点在します。

菊池市役所横の風車

菊池市役所横には風車もあり、市民の憩いの場にもなっています。

肥後銀行脇の井手がこちら。暮らしの中で今も息づく、ご先祖から受け継がれてきた水の恵みを感じることが出来ます。

世界灌がい施設遺産に登録された井手は、水を平等に民に分け合い、豊かな大地と農作物の恵みを得るために先人が与えて下さった努力と知恵です。

私たちはそれを忘れてはいけないと、改めて感じました。

以上。今回は菊池の歴史ある「世界かんがい施設遺産」で「菊池のかんがい用水群」のご紹介でした。ぜひ巡ってみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは、またっ。

Writing: Rumi













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