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【合格体験記】システムアーキテクト試験に独学で1発合格した勉強方法

少し前になりますが、2021年のシステムアーキテクト試験に合格しました。


1回目の受験で合格を勝ち取ることができましたので、その際の勉強方法などをこの記事で紹介したいと思います。

システムアーキテクトとは

情報処理試験を開催しているIPAによると、システムアーキテクトとは「業務とITのグランドデザイナー」とのことです。

ざっくり「開発の取りまとめを行う人」と理解しておけば大きな差異はないかなとおもいます。

職務の内容的には、システムの構造の設計、要件定義、システム方式設計、開発などです。

システムアーキテクト試験の難易度

例年の合格率は15%前後のようです。
(システムアーキテクトに限らず他の高度情報処理試験も合格率がだいたい15%前後で推移していますね。)

システムアーキテクトは応用情報技術者試験に合格した人が受験する資格であるため、受験者のレベル的にはある程度IT基礎知識のある人と考えています。

(受験要件は特にないのでいきなりシステムアーキテクト試験を受けている人も一部いるとは思いますが、おそらく少数派でしょう。)

システムアーキテクト試験は数ある高度情報処理試験の中で、序盤に取得する資格と言われています。実際私も初めて取得した高度情報処理資格はシステムアーキテクトでした。

一概には言えませんが、一般にこのような流れで受験する人が多いようです。(※私が取得したor欲しい情報処理資格のみ抜粋です)

そのため合格率には現れていませんが、高度情報処理試験の中では比較的取りやすいと評価されることも多いです。
(とはいえ高度情報処理試験なので、相応に難しいですが。。。)

試験内容

他の高度情報処理試験と同様、4つの試験区分からなります。

午前I

選択問題。内容的には応用情報技術者試験の午前と同じ。
応用情報技術者or他の高度情報処理試験に合格していると免除も可能。

午前II

選択問題。システムアーキテクトに特化した問題が出題される。
開発に関するもの、データベース、セキュリティが比較的多い印象。

午後I

長文問題。全4問中2つを選んで解答する。
知識というよりは国語の問題で、業務経験と読解力のある人ならさほど苦労せず通過できると思います。

午後II

論述試験。全3問中1つを選んで論述する。
制限文字数があるため、時間との勝負になります。事前にどのようなことを書くか考えておかないと時間内にとき終わることは難しいです。

学習時間

学習時間は合計60時間です。
(勉強時間は5分単位で記録していたのでかなり正確な値だと思います。)

内訳としては以下のとおりです。

各区分の対策内容は次章で説明します。

勉強方法

各試験区分ごとに勉強方法、使用したテキストを紹介します。

午前I

内容的には応用情報技術者試験と同じものが出題されます。
そのため、応用情報技術者用の過去問道場を使用して勉強しました。

ファイナンシャルプランナー(FP)試験でも使用したサイトです。
午前Iはここで過去問を解くだけで十分です。テキストなどは特に購入していません。

スマホでいつでも学習できますし解説も充実しているのでテキストをあえて購入する理由はないかと思います。合格率60%を確実に取れる自信がつくまでここで学習しました。

午前II

本当は午前IIも過去問道場を使いたかったのですが、システムアーキテクト用の過去問道場は存在しないようです。そのため↓のテキストを購入して勉強しました。

システムアーキテクトに限らず、すべての高度情報処理試験の午前問題に対応しているため1冊買えばほか試験でも流用が可能です。2022年のITストラテジストの対策でもこちらの書籍は使用する予定です。

午後I

午後Iもとにかく過去問演習を行いました。特別知識の求められる問題ではなく国語の問題なので、とにかく出題パターンを掴むのが効率的です。

使用したテキストはこちらです。

データベーススペシャリストもこのシリーズで対策して一発合格しています。過去問、解説もかなりの年数分ついてくるのでおすすめです。

とはいえ、システムアーキテクトの場合、読解力に自身があれば2年分くらい演習すれば十分とおもいます。
(私もさほど午後I対策に時間は使わなかったです。)


午後II

システムアーキテクト試験対策の3分の2はこの午後II対策でした。論文は初めてだったためかなり入念に準備をしました。

具体的には以下のような対策をしました。

1.どのような論文を書けばよいか事例を読む

まず、「どのような内容を書けば合格になるのか」を知る必要があると考え論文の事例集を購入しました。

事例本数36本。これ以上に事例の載ったテキストはないと思います。例文の執筆者も複数人おり、見比べられるのがメリットと考えています。論文対策のための必携本と言っても過言ではないと思います。

2.論文のもととなるストーリーを用意する

どんな論文を書けば良いかイメージが掴めたら、自分の実務経験と照らし合わせてどのようなストーリーで論文を書くか考えました。1つストーリーを用意しておけば試験の課題に合わせて使い回すことが可能です。

理想としては3つくらいストーリーがあるとよいのですが、当時入社2年目の私には1つ用意するので精一杯でした。

ちなみに、午後Iの過去問をもとにストーリーを創造で作り上げる方法も本書で紹介されていました。私はやりませんでしたが、本当にネタがないときは最後の手段としてありかもしれませんね。

3.使いまわしできるフレーズを用意する

論文を書いていると、毎回使うようなフレーズが結構あります。
例えば
「本論文の対象は家庭用品の製造をメイン事業としている・・・・」
「私はシステムアーキテクトとして・・・」
「システムの実装にあたりXXXXを重要と考え・・・」
などです。

これらは試験会場でフレーズを考えず事前に準備して置くことで時短を狙うことができます。試験までに極力たくさんのフレーズをストックしておくことをおすすめします。

4.時間を測って論文をかく

タイトル記載のとおりです。時間を測って論文を執筆しました。

時間を測って練習することで試験当日の時間配分を体で覚えることができます。試験までに極力場数をこなしておきましょう。

5.読み直して悪い点を修正する

論文を書き終わったら自分で読み返して悪い点を書き出していました。私の場合、自分で読み返して修正していましたが理想としては第3者に読んでもらうことです。

自分ではわかっていても読み手には理解できないことがあると思いますので、友人でも家族でも良いので誰かに読んでもらったほうが良かったなぁと思います。

受験を終えて

受験直後の手応えとしては
「午後Iまでは受かっているけど、午後IIで落ちたな」
という感じでした。

午後IIの論文は時間が足りなくなり、取ってつけたような文章で文字数を稼いだためです。

ただ、いざ結果を見てみると合格。あのとき最後まで頑張って書ききってよかったなぁと思います。

システムアーキテクトの試験に限らず、高度情報処理試験の午後の問題は配点が公開されていません。想像ですが、その年の出来具合に合わせて点数調整しているのではないかと思われます。

今後受験をされる方は、もし途中で「落ちたかも」と感じても調整が入る可能性があるため最後まで諦めずに解き切ってほしいなと思います。


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