講義のサボり方を知った21歳の夏、
衰退の「た」の字まで見えている街を目指して電車に揺られた。

人よりも植物の方が生き生きとした街の竹に囲まれた渓谷を歩いていた。
あの頃のように。

すると…

「晴れ間に見える雨の色は?」
背中に向けられたその声に思わず答える。

緑色、と。

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