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【絵本レビュー もりはみている】

北米、カナダとアメリカをまたぐ森林地帯を 何十年も撮り続けてきたカメラマンの写真絵本。森で出会った野生動物のまなざし。動物たちの息づかい。

【並べて楽しい絵本の世界】

絵本の世界には、たくさんの動物が登場します。
私たちは、生まれてすぐに可愛いうさぎやネズミを主人公とした 楽しいお話の世界を、あたり前のように 日常生活の中で受け止めて、最初は動物たちとほぼ一体化して人生を始めているかもしれません。
うさぎやネズミといった動物と 絵本の世界で触れ合ううちに、人間としての自分に気づくまで。

すぐれた作家や画家や写真家の目を通して、ちいさな子どもたちに何かを届けることができるのは、絵本の世界の魅力のひとつだと思っています。

このnoteの中で絵本のことを書き続けるのはそんな思いからです。


もりはみているにも、おなじみの動物たちが登場します。

トップバッターは「赤リス」
まつのきに開いた穴の巣の奥から、片目をのぞかせて、まっすぐにこちらをみています。リスは、カメラマンの気配のする方角をみているのでしょうか。カサっと音をたてたでしょうか。しんとした森の中で写真家はリスの片目をどうやって見つけるのだろう?

すぎの木の こずえのかげから、ゴジュウカラも、じっとこちらを見ています。その視線はぴったりとレンズに焦点が合っています。

カメラマンはピッタリとゴジュウカラの瞳に焦点を合わせています。

どちらが合わせている?


くまのこどもにも出会います。

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驚くことに、次のページには、おかあさんのくまがいます。やはりぴったりとこちらに焦点をあわせて。

こぐまの視線とその母熊の視線を見て、背筋を正してしまいました。

なぜ?
カメラマンの大竹英洋さんは、本来ならばこの とても危険な状況で、この親子に、こんな写真を撮らせてもらえたのだ、という思いからです。

私たちが自然の中に 足を踏み入れる時
もりはみています。

もし、静粛なこころを持たずに自然の中に入り込んで行ったら?

自分たち人間のためだけに、自然に対して無礼なふるまいをしていたら?

このお母さん熊は決して写真を撮らせてくれないでしょう。


野生の動物たちと見つめあったことがありますか?
”ぼくが森を見ていたのではなく、森に見られていたのだ”
そんな感覚をいつか絵本にしたいと思い続けて、この本ができました。
 写真家からのメッセージ 本の帯より

こんな素晴らしい写真に絵本で出会えました。

【並べて楽しい絵本の世界】はやっぱりやめられない!


今日もお読みいただきありがとうございます。

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