【かさじぞう】絵本レビュー
大晦日に思い出す、日本の昔話。日本各地に広く分布している話で、たくさんの再話があるから、どの絵本や語りがよいか、迷ってしまう。
絵本で読むなら、
瀬田貞二 再話 赤羽末吉 画
福音館書店の「日本の昔話」のシリーズをおすすめしたいと思います。
【並べて楽しい絵本の世界】
昔話にはじめて触れるのはどういう時だろう。
私は、小学校の給食の時間に流れる放送でその朗読を聞きました。
昔話や神話がよく放送されていました。
我が家のこどもたちの時代には、テレビで「まんが日本昔ばなし」をよく見ていました。
毎日家事と仕事に追われながら、市原悦子さんの語りを聴いていたのを覚えています。(やはり耳から入ってくる印象)
いずれにしても、昔話は聞くともなく見るともなく私たちの生活の中にいつのまにか「あった」という印象があります。
昔話とはそういうものなんだと思う。
語り継がれるおはなしには、いつのまにかそこに在るべきものが、語られているのでしょう。
「かさじぞう」は徳を積むってどういうことか、いちばん最初に教えてくれた「おはなし」でした。
語りを聴きながら私が思い描いていた、貧しい夫婦の生活や行動が、力強く豊かな筆で描かれていて、耳に残っている言葉の印象が、心地よく響いてくる文章がこの絵本でした。
時代に即して、こどもたちにわかりやすく描かれている絵本やアニメなどは沢山あるので、色々見てみた印象として、満足感をくすぐるオーバーなクライマックスや過度な演出の作品には、とても違和感を感じてしまいました。
昔話としての絵本は、おじぞうさまへの深い畏敬の気持ちや、夫婦の愛情、足るを知る謙虚な心・・・そんなものをきちんと表現してくれる世界であってほしい。
扇の中にひろがる、日本の心の風景、耳に響くことばの美しさ、を肌感覚で感じることができます。
明日は大晦日・・・
一年が無事に終わりますことに感謝して、おもちとお花と、ささやかなご馳走を買ってこようと思います。
お読みいただきありがとうございます。
よいお年をお迎えください。
まんが日本昔ばなし 笠地蔵
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