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【こねこのぴっち】絵本レビュー☆いろんなことやりたい。どんなものにもなれる、ぴっちの冒険

【並べて楽しい絵本の世界】


表紙をくらべてみたら、欲しい!と思うのは大型絵本のほう。だんぜん。
表紙のグリーンがきれいですね。

ハンス・フィッシャー (著, イラスト)
石井 桃子 (翻訳)
出版社 ‏ : ‎ 岩波書店; 改版 (1987/11/25)
発売日 ‏ : ‎ 1987/11/25

リゼットおばあさんは、おうちの前でベンチにこしかけて、赤い毛糸で編み物をしています。おばあさんの両隣には、お母さん猫とお父さん猫がお昼寝中。

木が一本。ブリキのじょうろ。何かが入っている樽。毛糸玉が転がり出てしまった籠。庭ぼうき。草の実をついばむ小鳥。犬のベロ。にわとりお母さんとひよこたち。

ちび猫たち5匹。4匹は転げまわってそこら中にあるものに、じゃれついていたずらしてる。

楽しい光景が一ページに詰まっています。

おふとんが敷かれた籠の中にちょこんと座って、こちらをみているのが「ぴっち」です。

「ぴっちは、そんなこととは ぜんぜん ちがうことが したかったのです」

好奇心旺盛な元気あふれるぴっちは何を考えているんだろう。

リゼットおばあさんは他にもたくさんの動物を飼っているので、ぴっちは次々にその動物たちのところへ行って、自分もその動物になる、という冒険に出かけます。

でも、ヤギみたいにお乳を搾られるのは嫌。
おんどりの真似して大きな声を張り上げたら、おんどりにも怒られちゃった。


あひるについて行ったら、おぼれちゃった・・・

ぴょんぴょん子ウサギについて行ったら、小屋に閉じ込められてしまって、夜中じゅう出られなくて、夜の動物たちにおびえることに。。。

そして、

とうとう、具合が悪くなって寝込むことになってしまいます。


そんなぴっちのところに、仲間たちは続々とお見舞いにやってきます。
みんなぴっちが大好きだから。

そして、かいがいしくお世話をしてくれます。
少しずつ元気になっていくぴっち。
ステキなことに、犬のベロは、最初にぴっちがちょこんと座っていたお布団を敷いたあの籠に、車輪を作ってつけてあげます。回復期のお散歩用の乳母車です!

だいぶ元気になったぴっちは、おばあさんの作ってくれたご馳走を、囲みながら、(なんと背中にクッションを当ててもらったりして、なんてみんなやさしいんだろう)

もう、ねこより ほかのものになるのは やめようと、ぴっちは おもいました。

かわいらしいぴっちと、やさしい仲間たちがおばあさんの花咲くお庭で賑やかに遊んでいる見開きのページの美しさは圧巻です。

読んであげるなら、ぜひ大型絵本で!
そして、再びこの絵本を開いたおとなは、誰かにやさしくすることや、おおらかな心でひとを受け入れることの大切さや、この地球に生きているのは、人間だけじゃないということにも思い至ります。傷ついた心や疲れた身体は愛によって回復する。そんなことも思います。

今日もお読みいただきありがとうございます。
春分の日、今年は愛をテーマにすごせますように。







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