ジャック・オーディアール『つつましき詐欺師』"最上の人生とは作られたものだ"
1996年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ジャック・オーディアール長編2作目。ジャン=フランソワ・ドニオーによる同名小説の映画化作品。物語は現在のアルベールやその関係者へのインタビューと当時の再現映像を往来するモキュメンタリー的な構成で展開する。1930年代、英雄小説を読んで英雄に憧れるアルベール少年は、一次大戦で戦死したと言われてきた父親がただの肝硬変で死んだアル中男だったと知り失望する。二次大戦は戦争未亡人の一人息子ということで徴兵を免れ、そこでイヴェットという女性と結婚