家に篭るなら『ゼノブレイド2』

ゼノブレイド2 は、“ゼノブレイド”の“2”である。

シリーズ既プレイヤーはここで膝を打って帰っていっただろうから、ここからは、ネタバレにならない程度に言葉を濁しながら話していこう。

ゼノブレイドは、任天堂の大作ロールプレイングゲーム(RPG)シリーズだ。スマブラに無印の主人公であるシュルクが参戦していることから、「プレイしたことはないがタイトルだけは知っている」という人も多分日本には400万人程度いるはずだ。

私も、無印の評判はかねてから聞いていた。「プレイ時間99時間のRPG(99時間でカウントストップするため)」だとか、「海外発売の予定はなかったが、ファンの熱烈な要望により実現した」だとか。

しかしまあ、このゲームの購入は見送るだろうと私は思っていた。無印もXもなにかと理由をつけて購入しなかったのだし、月6万だか7万で生活する苦学生にとっては、税別7890円は十分に高価だった。

それでも、応援の気持ちを込めて発売後のツイッターの、ゼノブレイド2についての反応を眺めていた。たくさんの好意的な反応と、少しの批判的な反応が流れていった。

そんな中で、私はひとつのシーンのネタバレスクリーンショットに決定的に心惹かれた。既プレイヤーなら分かるだろう。7話中盤、エルピス霊洞最奥部のあのシーンだ。たとえどんなに勝ち目の見えなくても、挑まずにはいられない戦いが少女にはある。事前情報では、まさかそんな展開になるとは想像していなかった。私は、そこに至る理由を知りたいと思った。知らなくてはいけないと思った。

近くのGEOでパッケージ版を買った。初めてのゼノブレイドシリーズだ。

いまさらだが、ゼノブレイド2というゲームの概要について触れておこう。

物語の舞台は『アルスト』。世界に満ちる雲海を、『巨神獣(アルス)』と呼ばれる巨大な生物が泳ぎ、人々その体の上で生活している。主人公少年のレックスは、雲海の中から有益そうなものを引き上げて売る『サルベージャー』として生計を立てていた。ある日レックスは、商会の会長から引き受けた仕事の先で、世界を灼く伝説のブレイド『天の聖杯』と呼ばれる少女、ホムラと出会う——

戦闘は、シンボルエンカウントリアルタイムシームレスバトルだ。主人公が歩くフィールドを、エネミーも同じように歩いていて、プレイヤーが敵をターゲットするか、敵がプレイヤーをターゲットするかで滑らかにバトルに移る。敵はそのままのスケールでフィールドを歩いているから、序盤に登場する巨大なゴリラに度肝を抜かれたプレイヤーも多い。ちなみにその段階でそのゴリラに挑むと一撃で負ける。レベルだけでいえばラスボスより強い。なんでこんなやつがウロウロしてるんだアルスト。

主人公たちは、武器を振るう『ドライバー』が3人、ドライバー1人につき、武器でありパートナーである『ブレイド』3人でパーティーを組んで戦うことになる。もし今あなたがゼノブレイド2をプレイしていて、まだ3話以前で、戦闘を退屈だと思っているなら、安心して欲しいゼノブレイド2の戦闘はもっと面白くなる。

プレイするたびにやめ時を見失い、餓死の危機を感じながらプレイした。アルストは広大で、複雑で、ミニマップはありえん見にくくて、よく道に迷った。多分、全プレイ時間の1/3は道に迷っていた。特に6話のルクスリア、あのギミックが分からずウロウロしまくった。

それでも、とうとう私はエンディングに到達した。90時間2分。ゼノブレイド2は、私が初めて泣いたゲームになった。ポケモン超不思議のダンジョンではギリギリ耐えたのに。

物語が悲しい結末を迎えたくらいでは私は泣かない、これは祝福の涙だと思った。幸せで、満たされていて、ただ追憶を辿ることだけが望みだというのに、それでも、それだけの幸福でも贖いきれないだけの価値が君には、この『出会い』にはあったのだねと。

“Can I ask you, God?Despite all of this…”

エンディングテーマのこの歌詞がピークだった。

ゼノブレイド2は“消えたい”と願った少女が“生きたい”と願うまでの物語だ。

そして少年は少女と出会った

……ちなみに、私が泣いたシーンはエンディングと、もうひとつある。8話『雨』のラストだ。

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