20240528

 ジャスティン・カーゼル監督の豪映画『ニトラム/Nitram』を観た。一九九六年四月にタスマニア島で起こった無差別銃乱射によって死者三五人、負傷者一五人を出した「ポート・アーサー事件」の犯人マーティン・ブライアントを主人公にしたクライム映画。
 知的障害で名前を逆さにした〝ニトラム〟と呼ばれて馬鹿にされてきたマーティンが宝くじの会社のオーナーである女性ヘレンと出会い彼の居場所を見つけるが、事故をきっかけに再び孤独に苛まれていく。主演したケレイブ・ランドリー・ジョーンズはブランドン・クローネンバーグ監督の『アンチヴァイラル』でも圧倒的な存在感を放っていたが、今作でも独特の雰囲気で改めて凄い俳優だなと思った。

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