20240312

 日中激しい雨の降る一日だった。気温も低く、冷たい雨。三月も中旬に差し掛かっているが桜は咲くのだろうか。国立西洋美術館で開催されている企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」の記者説明会の席で、出品作家の飯山由貴が同館のオフィシャルパートナーである川崎重工が防衛省が導入を検討しているドローンの輸入販売を行おうとしているとして、輸入販売を中止するよう訴えた。TL上ではこの行為がデモなのか、パフォーマンスなのか、といったことで賛否の声が乱れ飛んだ。
 是非はともかく、問題は同館の通報もなく、警察が出動し敷地内のロビーで有志がビラを撒く様子やイスラエルのガザ虐殺に反対するパフォーマンスなどを撮影していたということだろう。アーティストとして、政治的主張をするならば展示会を辞退し他の場で表現を行うことが論理的である気はする。しかし、それでは今回の様に話題になったかと言えば甚だ疑問でもある。その辺りは議論の余地がある。ところが、ここに国家権力が直接介入してくるとなると、完全に検閲である。ナチスの親衛隊も日本の憲兵も、彼らへの密告者によって被害が拡大した。市民の分断によって一体だれが利を得るのか、どさくさに紛れてこうしたことが常態化しないようにきちんと声を上げていくべきだろう。

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