20240407

 晴れて、上着も必要ないくらいに暖かい一日になった。ようやく春めいた天候が巡ってきた。SNSのTLにも花見の写真がアップされまくっていた。もう、さすがにこれから寒くなることはないだろう。
 西田幾多郎『善の研究』(岩波文庫)を読んだ。主観とも客観とも満たない「純粋経験」を基に存在とは、善とは、宗教とはなにかを問う、日本の西洋哲学のパイオニアによる代表作。本書で言うように、赤という色は赤色以外が存在しなければ存在しない。つまり、個があって経験があるのではなく、経験があって個がある。この主客の統一にこそ意義があり、彼はそこに神の存在を見る。一読しただけでは理解するのは難しいが、大意は分かった。もちろん、これは彼の前期における著作であり、「場所」という概念へとその思索を移していくことが序文にも書かれているので他の著作を読んでみなければその全体像を把握できない。

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