20230226

 晴れたが、風は相変わらず強くて冷たい冬日になった。二月最後の週末は寒い記憶で塗り替えられた。思えば、昨年の二月はどうだったのか、まだ日記を始める前だったので覚えていない。来年の今頃、日記を読み返さなければ、来年も恐らく忘れているだろう。だが日記を付けたのでこの文章を読み返せば思い出すだろう。文字として残すというのは面白いものだ。吉村萬壱氏のオンライントーク動画「小説の蠅」を拝見した。彼の創作遍歴や執筆する過程など大変示唆に富んだ内容だった。なかでも最初の一行でどれだけ妥協しないか、そこにたどり着くまで納得いくまで書き続ける。そこでダメなら一〇〇枚書いていても全て捨てることになる。と話していたことに感銘を受けた。そして七〇枚まで行けば大体書けるという「七〇枚の壁」も参考になった。自分はまだ長篇を書いたことはないが、中短編を書く際、二五枚まで書ければ大体終わりまで書ける経験をしているので彼の理論は実感として正しい気がする。今は一〇〇枚程度の作品を書いている途中だが、冒頭にたどり着くまで二ヶ月ほど費やした。なんとか完成まで漕ぎつきたい。

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