20240711

 映画『aftersun/アフターサン』を観た。11歳のときに31歳だった父親と二人で過ごしたトルコでの休暇を当時の父と同じ歳を迎えたソフィが微睡ながら思い返すという構造。ハンディカムのカメラ映像や、従来のカメラワークではなく、鏡像や陰影、空、海など独自のカットを多用したカットも斬新な気がした。現在において父がどうしているのか、ソフィはどう成長したのか、全く不明のまま作品は終わるがところどころに散りばめられた父の精神状態の不安さや、父自身の過去と思われる断片的記憶などが差し挟められることによって観る者の想像を掻きたてる。音楽もかなり効果的に使われていて良かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?