20230121

 晴れたが、ついに到達した寒気によって冷え込んでいた。わたしの予想に反し、子どもたちとは元気なもので凧揚げやボール遊びに興じていた。「子どもは風の子」とはよく言ったものだ。宮沢賢治『風の又三郎』を思い出す。『風の又三郎』に限らず、岩手の作家だからか、賢治の作品には冬の景色を連想するものが多い。ガルシア=マルケスやロベルト・ボラーニョなどラテンアメリカ文学にはやはり夏の灼熱に覆われた景色を思い浮かべるものが多い。やはりそれぞれが生まれ育ったり、見てきた景色がそうさせるのだろう。そう考えると、それぞれの土地での伝承や童話にそれぞれの場所の魅力がある。それは時代によっても移り変わるだろう。村上春樹の作品が世界的に読まれるのも、彼の作品が戦後の都市生活、とりわけ資本主義的な背景の中でアメリカ文学に多大な影響を受けて書かれたということが大きい要因であるように思う。

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