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マッチングアプリの利用者だった私たちが、knewを開発した本当の理由

まだknewの構想も立てていない頃、のちに開発メンバーとなる私たちは、いちユーザーとしてマッチングアプリを利用していました。そこで経験したのは、外見至上主義・条件偏重のマッチング。

プロフィール写真や年収、身長などを他のユーザーと比較して、自分の条件を満たしていたら「いいね」を押す。相手からもいいねが返ってきたら、テキストチャットがはじまります。私たちはそのスタイルに、疑問を抱きました。

スワイプひとつで人の選別をくり返す“出会い”は、本質的と言えるのだろうか…?
もっと人の外面・内面の両方触れ、誠実さのうえに成り立つマッチングアプリが欲しい。knewの開発は、その思いからはじまったのです。

この記事では、私たちが既存アプリの課題とどのように向き合い、答えを出してきたのかをお話しします。

課題①既存アプリは顔写真至上主義、いいね獲得ゲーム化している

名称未設定のアートワーク (1)

ほとんどのアプリでは、顔写真が最も大きく表示されます。この仕様では、外見で判断されやすくなるのは当然のこと。さらに写真はいくらでも加工ができる時代なので、顔写真に注目を集めることが、ビジュアルを最重視するユーザーの満足度に繋がるとは限りません。むしろ、「加工された顔写真がノイズになっている」という声もあります。

顔写真の次に注目されやすいのが、いいね数。
プロフィールに獲得数が記載されたり、スワイプの表示ロジックに反映されるなど、大多数のマッチングアプリではいいね数が魅力の指標になっています。

けれど、「マッチングアプリ いいね」と検索してみると、明らかに攻略的視点でのまとめ記事が山ほど出てくるのです。記事でよく語られている常套手段は、自分から大量にいいねを送ること。自分から送ることで、「いいね返し」を獲得するのが狙いです。

とくに短期間で大量にいいねを稼ぐためには、新規会員や現時点でいいね数が少ないユーザーを中心にいいねを送る。ある記事では「地方在住のシングルマザーや、高年齢の人など」と、具体的にターゲットをまとめていました。
課金額を増やすごとに、送れるいいね数が増えるアプリも珍しくありません。

課題②誰でも最初からテキストメッセージを送信できる

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多くの場合、メッセージ付きのいいね機能を利用すれば、お相手のいいね返し(合意)がなくても、一方的にメッセージを送ることが可能です。制限がないため、ネットワークビジネスなどの勧誘や、性行為目的、奇をてらったメッセージによって不快な思いをするユーザーも少なくありません。プロフィール欄に「遊び目的の方は連絡しないで」という注意書きが必要になるほどです。

また、顔を見て話をしたことがない状態で、テキストのやりとりを繰り返していても、その人の本質はなかなか見えてきません。理解度の低いまま、「お仕事は何をしていますか?」「趣味はありますか?」など当たり障りのないやりとりをつづける時間に対しても、ネガティブな意見は多いのです。

knewが2021年5月に実施した調査で、「マッチングアプリを利用しているなかで疲れ感じたことがある」と言う20歳~39歳の男女322人に理由を伺ったところ、36.4%の人が「複数人とメッセージのやり取りをするのが面倒くさいため」と回答しています。

Q.「マッチングアプリ疲れ」を感じた理由は?(n=322/MA)

マッチングアプリ疲れの理由

「コロナ禍の恋活・婚活とマッチングアプリの利用実態」に関する調査より

課題③その人自身の魅力より、行動量やテクニックが評価される

マッチング後の評価制度を導入しているアプリは、ほとんどありません。
多くの場合、ユーザーの評価=いいね数のみで、マッチング後にどんな行動をし、どんな印象を与えたのか?というデータ収集がまったく行われていないのです。
つまり、その人の本当の雰囲気や人柄よりも、いいねを大量に送るなどの行動量や、画像加工などのテクニックによってユーザーが評価される仕組みになっています。

knewが目指したのは、より本質的なマッチング

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knewは既存アプリが取りこぼしている「本質的なマッチング」を目指し、まったく新しい提案型のブラインドマッチングにたどり着きました。

【条件検索に代わる提案型(いいね機能なし)】
過去の記事でも詳しく紹介しましたが、knewではユーザー自身がお相手を探すことはありません。会員登録時に入力するプロフィールや希望条件、ビデオチャット後の感想などのデータをもとに、運営側がお相手を探して提案をします。もちろん、いいね機能もありません。


【ビデオチャットまで顔を見せないブラインドマッチング】
運営からお相手を提案するときは、顔写真は公開していません。マッチング後、はじめてのコミュニケーションとなる5分間のビデオチャットまで、お互いに顔を知らない状態です。既存アプリでは、過度な写真加工やアプリ攻略法を知っているユーザーとの交流が増える一方で、その人の雰囲気や人柄を知る前に多くの出会いが失われているように思います。

「外見よりも内面が大事だ」と主張したいわけではありません。顔には人柄が表れますし、外見も内面も同じくらい大事だと考えています。
だからこそ、加工がいくらでもできる顔写真ではなく、ビデオチャットでお互いを知り合ってほしい。ビデオチャットというフォーマットでは内面・外面が同時に伝わり、よりその人の本質に近づけると思います。

テキストメッセージは、ビデオチャットを経てから

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マッチング後の最初のコミュニケーションは、テキストメッセージではなく5分間のビデオチャットです。日程調整機能で、お互いに希望日程を選択したら、すぐに顔を見て対話ができるようになっています。テキストでのやり取りをくり返すよりも、5分間対話をした方がきっとお互いの理解は深まる。

テキストメッセージがはじまるのは、ビデオチャット後にお互いが「今後も連絡を取り合いたい」と希望をしてからです。お互いの合意がなければ、メッセージのやり取りはできません。

ユーザー同士の感想を見て、運営がマッチングをコントロール

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knewでは、マッチング後に感じたことを運営チームに送ることができます。お相手提案への回答率、日程調整の回答率、ドタキャンの有無、相手からのビデオチャット感想などを私たちが確認し、そのデータを元に紹介数やマッチングの精度が変動する仕組みです。
お相手の時間をいただいていることを忘れずに、日程提案を無視しない、約束をドタキャンしないなど、最低限のマナーを守っていただくための制度です(評価内容は公開されません)。

その他にも、プロフィールの詐称やドタキャンなどを防ぐために、knewは「マナーとルール」を設けています(ペナルティ制度もあります)。もしルール違反があった場合には、運営チームからご連絡をしています。

外見も内面も大切にする、本質的なマッチング

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今でもマッチングアプリの大多数はいいねが評価軸になっていますが、外見や条件で他者を比較することに疲れてしまったり、マッチングの在り方に疑問を抱いている人は増えているように感じます。

実際にknewユーザーの多くは、外見も内面も大切にする、本質的な出会いを求めている方ばかり。だからこそ、メッセージや顔写真よりも、表情や声色、雰囲気がよりリアルに伝わるビデオチャットが好評なのです。

ルール違反をしたり、単調なテクニックで攻略を試みる人がほとんどいないということも、knewの特徴のひとつです。

マッチングアプリがこれまで「当たり前」としてきた世界を問い直し、親友からの紹介のように誠実さのうえに成り立つ出会いを、これからも提供していきます。


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