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次男の小さな魔法の手
「お母さん、ぼくの手大きくなったかな。」
と、5歳の次男はよく手を合わせてくる。
次男(5歳)の手を見ると、まだまだ小さい子どもの手。
赤ちゃんの時のように、ぷっくりとはしていないけれど、
それでも少年とは言えない手。
ちょうど赤ちゃんと少年の間ぐらいかな。
私の第二関節に届くかどうかの大きさ。
育児をしていると、うまくいくことばかりではなくて、
癇癪を起こされたり、やんちゃをされたり、
心がどっと疲れることも多々ある。
でも、まだまだ小さい次男の手を見るたび、この子はまだ小さいんだなぁ。
この子を守れるのは、私たち親だけなんだなぁ。
無性に愛おしい気持ちが湧いてくる。
まだまだ可愛い存在。
先日、幼稚園のお友達とパリで遊んだ帰り道、二人で手を繋ぎながら歩いた。
もう冬の寒さだというのに、手袋を忘れてしまい、手が冷たい。
かじかんだ冷たい私の手と対照的に、次男の手は温かい。
「寒いから、お母さんの手温めて〜。」
次男と手を繋いでいると、不思議と私の手も温まる。
「00くんのおかげで、お母さんの手が温かくなったよ。ありがとう。」と言うと、
「ぼくの手は温かくて、魔法の手なんだよ。」とちょっぴり自慢げに答える次男。
温められたのは手だけではなく、胸も温まったように感じた。
心が満たされている、そんな気分。
次男の手は私にとっては、本当に魔法の手。
次男の手は少年の手、大人の手になるのも、きっとあっという間のことだろう。
だから、だから、お願い。
あともう少しだけ、可愛らしい魔法の手でいてくれますように。
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