見出し画像

ベスト書籍オブザイヤー2021

今年もあとわずか!なんてバタバタしてるうちに気づいたら年を越してしまいそうな皆さんお元気ですか?全くもって同感です。
毎年恒例…に出来るほど今まで本の感想をしたためて来なかったわけですが、今年は色々と面白い本に出会えたので、主観だけで綴ってみようかと。
数えたら記録してる分で75冊。母数があんまり大きくないけど、来年はもっとたくさん読むぞ!の気持ちで残します。

〈ビジネス本編〉


・人の心は読めるか

読めないよ!!!!!!っていうのをひたすら綴った本です。笑

よくある、某メンタリストさんが出しそうな「どうやって人の心を読むか」という内容ではなくて「いかに私達は人の心が読めていないか」をひたすら力説してくれる1冊。

人間関係が上手く作れないな〜とか、この人何考えてるのかよく分かんないな〜仕事頑張ってるのに全然評価してもらえないな〜って悩んでる人に特におすすめ。凡例となる実験がとにかく分かりやすくて面白い。

私が特に印象に残ってるのは「自分の頭の中で鳴っている音楽をリズムだけ目の前にいる人に伝えて、相手がなんの曲か当てられるか」というもの。曲の選択肢まであるのに正答率はとても低かった…つまり「相手の考えてることなんて大して分かんないよ!」ということですね…。

頭では分かってても実験を交えて解説してくれるのがとても面白かったのでサクサク読んでしまいました…。

再読は滅多にしないけどこれはちゃんと買ってまた読み返したいな〜ということで、今年の1冊にランクイン。





・ファクトフルネス

「東京からニューヨークまで毎日飛行機で5年間往復しても、それって人1人が一生に吐き出すCO2より少ないの。」

LUNGSでも1番大きく取り上げられてるこのセリフ。(戯曲の概要にもこのすぐ後の1文が取り上げられてた。)

破壊されてく地球環境を思うと、絶望したくなるけど、本当に世界ってそんなに悪い方向に進んでるの…??を考え直すきっかけになる1冊。
大大大ベストセラーなので、ここ2年で本屋さんを通り過ぎたことのある人は表紙くらいは見たことあるはず……

地球環境よりも人権問題だったり難民問題だったりをメインで取り上げてるけど、一言でまとめるなら「世界はそこまで悪化してないよ」ってことです。

メディアの過剰報道に慣れながら生きてると世界はどんどん悪い方向に進んでしまっているような…刷り込みと共に生きてしまうけど、きちんとしたデータをきちんとした手順で読み解けば、むしろちょっとずつ良くなりつつあるということが分かる。もちろん、(LUNGSの言葉を借りるなら)完全に全部直ってる状態とは言えないけど、過剰に心配し過ぎなくても、一人ひとりが意識しながら過ごしていけば死にたくなるくらい汚い世界でもないのかなぁ…なんて思いました。そのために出来ることを!って声を上げた結果がユニセフとか、SDGsアクションとか、よく街中で目にする活動に繋がっているんだと思う。

思い込みをやめて、正しい情報源から正しく情報を分析しようね〜!という本が世界的ベストセラーになってるのはちょっと救いだな…などと思いました。

めちゃめちゃ分厚いけど後半部分は参考文献の紹介なので思ったよりは大変じゃないです。

恐ろしいほど膨大な根拠を基に書かれた1冊ということをしみじみ感じる……。

ちなみに、正しい情報源から正しい情報分析をしても神山智洋さんは可愛いです(無理やり盛り込まんでええから)



・デジタルミニマリスト

去年は断捨離にハマり、今年はデジタル断捨離の年でした…!

“モノ”は分かりやすく空間を支配するけど、“時間”はいくら私たちを支配してもなかなか気づけないというなかなかやっかいなところがあります。

同じ時期に大ベストセラーになった「スマホ脳」とどっちを紹介するか迷ったけど、具体的なスマホ断ちの方法について詳しく書かれていたのがこっちだったので。

(スマホ脳の著者が世界一受けたい授業に出演されてた時、たしか重岡くんがゲストで出てたはずだから見てた人もいるかも……??)

両方読めるなら「スマホ脳」でデジタル断捨離の必要性を理解して、「デジタルミニマリスト」で具体的にデジタル断捨離をしてみる…というのがおすすめの流れかなぁ……

最近スマホ触りすぎな気がするなぁ〜よくないってわかってるんだけどついつい触っちゃうなぁ〜って人はぜひご一読ください!…って文章もスマホで打ってるわけなんですが。笑

これに倣って1ヶ月Twitter禁止期間を設けてました。8月、1ヶ月丸々は出来なかったけど、たしかに「スマホに生活を支配されてる感」は減ったかも…。

ツイ廃の皆さんにはとんでもない話だけど自分の生活とスマホとの距離感を見つめ直すのは決して悪いことではないと思うのですよ…。

……っていうのもスマホがないと伝わらないわけですが。笑

〈小説編〉

・六畳間のピアノマン

きっかけ?そんなモン推しだよ推し。自担だよ!!!!!(なんでキレてんの?)

実写ドラマ化に際して加藤シゲアキさんが配役されたことをきっかけに予習として購入した小説。

とあるブラック企業に新卒で勤めていた3人のうち、1人が自殺したことがきっかけで動いていく話。章ごとにメインの登場人物がガラッと変わって、だけどどこかで亡くなった“ピアノマン”と繋がっていて、「人と人は思いもよらないところで繋がっていて、知らない間に誰かを傷つけたり救っていたりするんだよな……」を強く実感した1冊。

場面によってはかなり過激な描写があって、さすがにドラマでは再現してなかったけど、(特に自殺の場面は映像化したら絶対によくない影響があったと思う…ご時世的にも…ドラマでは車の事故ってことになってて、ヨッ!NHKのコンプラ!となりました。)不思議と小説の方が読了後に少しだけ暖かい気持ちになれた。なんだろう、絶望度が高かったからかな…。

この時期、仕事が恐ろしいほど多忙を極めていて、死にかけてたんだけど「でも彼らの方が残業してるしな…」「私は怒鳴られてないしな…」と謎の励ましを得ていたので仕事が忙しい人は読まないで欲しい(仕事が本当に忙しい人はそもそも読めないよ)

夜な夜なビリージョエル聴きながら「私なんてまだまだブラックじゃないし…まだ全然やれるし…」って呟いてPCに向かってる社会人、どう擁護しても嫌すぎる…。


・ときどき旅に出るカフェ

(表紙の文字全然見えないな…笑)
多分フォロワーさんがおすすめしてた本……自分で見つけた記憶はなくて、気づいたら「読みたい本リスト」に入ってたので…

あるカフェを舞台に、その常連になった女性が主人公の小説。

短編の一遍一遍の話のテーマもまとまっているし、登場人物同士の繋がりがとても巧妙。心がほっこりしつつも「そこ、伏線だったのか!!」という閃きを楽しみたい人にもおすすめ。あと、安直だけど旅が好きな人にも。

カフェを経営している円(まどか)は世界中を旅しながら、旅先で出会った料理やお菓子をカフェのメニューに反映させながら生活している。

旅と旅行は似てるようで違うと思っていて、はっきりした目的と旅程が組まれているのが旅行。旅は、あてもなく、計画もなく、ただそこにしかない出会いを楽しみながら歩いていく感覚。

私はどっちも好きだけど、旅をしていると自由に生きている感じがしてすごく楽しい。

円のほんわかした雰囲気と、実は芯のしっかりした強さのギャップが堪らない。コロナ禍で結局今年も海外に行けなかったけど、少しだけ世界を歩いた気分になれた。



・きりこについて

私が稔さんに狂っていた時期に出会った松村北斗さんの愛読書。

落ちるならとことん彼の好きな物に触れて、それでも好きで仕方なかったらこれは自担だな……と思って10冊ほど読んだものの、稔さんの戦死とともに気持ちが薄れていってしまい……つまり稔担でしかなかったことが証明されたわけなんですが。笑

彼の愛読書に触れるのはなかなか面白い時間でした。一筋縄ではいかないというか、なにか心にしこりが残る小説が多い中、この本は特別いい意味で心に残ったので選出。

「きりこはぶすである」というドストレート極まりない一文で始まるちょっと短めの長編。

「人は見た目じゃないよね!」みたいなメッセージで終わるよくある話かな〜なんて思ってたけど、そんな上っ面な言葉をたとえ“ぶす”の話から繋げられてもストンと心に落ちて終われるほど単純ではなくなってしまった…そんなひねくれた私でも読了後にちょっとすっきり出来る不思議な話でした。

きりこという“ぶす”な女の子とその飼い猫ちゃんがメインで、彼女たちの周りを取り巻く人々によって物語が展開されていきます。

両親に溺愛され、自分のことを美しいと信じて疑わずに生きてきたきりこがある日「ぶす」と言われたことをきっかけに落ち込み始めます。悩んだ末彼女が見つけた本当に大切なこととは……

私が好きなのは「なんでこんなにぶすなんだろう…」じゃなくて「うちのどこがそんなにぶすなんやろう……」という悩み方の視点。自己肯定感が高すぎるが故、自分の美と世間の美がズレてるという観点でショックを受けるんですよね。それがなんだかとっても新鮮で。もちろんちゃんとしっかり病むんですけど、悩むのそこなんだ!?っていう…笑

そして、自分を大切にすることを忘れなかったきりこだからこそ導き出せた結論が綺麗事過ぎず、でも核心を突いていて、忘れた頃に何度でも読み返したくなる1冊。

200ページと短いながらも話の展開が目まぐるしく、余計な描写がなくてスッキリしてるのでとっても読みやすいので本に慣れてない人にもオススメ。


いかがでしたか?(まとめサイトによくある一節)
本当はもっともっとたくさんあるけどこのペースで書くと誰も読んでくれなくなりそうなので激選してみました。
来年もいい出会いがあることを願って、「読み納め」したいと思います!
では!良いお年を!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?