【163】歩くスピード

入院しています。

入院の1ヶ月前に怪我をしました。

怪我はしているんですが

歩くことは可能でした。

いや

痛みに耐えながら歩くことは可能でした。

膝や腰で特に思う。

外からは別に

血が出てる訳でもないし

フラフラになってる訳でもない。

痛くても動けはするのだ。

辛いのにわかってもらえない状況は

目で見て分かるかどうかが

1つの大きなポイント。


入院までの1ヶ月。

痛くても歩かないことには

生活は成り立たない。

痛いときと痛くないときがある。

これまた厄介。

痛いとき→関節がズレてる時
痛くないとき→関節がハマっている時

イメージはそうなんだけれども

これが自分でコントロール出来ない。

関節を嵌めることが出来ず

ずっとひたすら痛い。

そんな1日があった。


その日は雨で自転車も乗れず

電車に乗るため駅前を歩く必要があった。

人混みの中、500m位だろうか。

いつもなら10分位?のその道のりに
15分20分かかった。

痛くて歩けなかった

歩けないっていうのは
・歩くスピードが出せない
・痛くて一歩が出せない

感じ。

その時の事を鮮明に覚えている。

「みんな、歩くの早い」

地下鉄までの階段を一段一段

手すりに体を預けながら下った思い出。

今思えば、エレベーターを使えば良かった

でも

普段使わないエレベーターがどこにあるかさえ

探す気力もなく

全力で、一段一段。


友達と会話をしながら歩く学生。

走って叱られてる子供

スーツケースを引きずる人

シルバーカーを押すおばあちゃん

色んな人の背中を見送った。

皆が早いのではなく

自分が遅い

そうだ。
人の一歩は1m弱。


健康であることは素晴らしいことだと思う。

本屋さんでいつも思う。
「健康は足の裏から」
「健康は腸から」
「健康の秘訣は肉を食べること!」
「全ては血流」
みたいなやつ。

結局、どれだよ!
というツッコミの後に
「全部大事なんだな」と思う。

そしてそれらは

いつも失ってから気付く

これから自分に必要なのは

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ことの自覚。

大変だったこと。
苦労したこと。
嫌だったこと。
辛かったこと。

忘れず鮮明に思い出すこと。
自分を大切にする為に
同じ過ちを繰り返さないように

勉強すること。


世の中の「普通?」や
みんなの「当たり前」は

想像以上にハイスペック!

街を歩いた、足を引きずって歩いた

その時の自分は

皆の歩みの速さに

そんな事を、感じていたはずだ。



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