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まだ見ぬ景色に出会うために

登山を本格的に始めてから2年近くが経ちます。
今ではすっかり山の魅力に取り憑かれてしまいました。
なぜこんなにも登山にどっぷりはまったのか、きっかけを振り返ろうと思います。

初冬の天狗岳

私が生まれ育ったのは山深い地域だったので、幼い頃から山や川で遊ぶことが普通でした。
父親に連れられてキャンプや登山、スキーなどにもよく行っていました。
その為か、自然の中で過ごすことが好きになったのだろうと思います。

ここ数年、世間のキャンプブームも手伝って、私もキャンプ道具を揃え、車に積み込み、家族や友人、1人でもオートキャンプをよく楽しんでいました。
ただ登山というのはこれまで何度かは経験がありましたが、そこまで自分から積極的にするほどのものでもありませんでした。

富士山の麓でソロキャンプ

登山を本格的に始めようというきっかけのひとつになったのは、今から約3年ほど前のことです。
旅行先のホテルに、世界中の絶景がまとめられた写真集が置いてあり、それを何気なく開いて見てみたのです。
そこには世界中の素晴らしい景色が紹介されていました。

特に目を引いたのはアメリカのロングトレイルの紹介です。
ロングトレイルというのは、アメリカ発祥の、自然の中を歩いて旅をするための長距離の道です。中には何千キロもの行程をバックパックを背負い、数ヶ月かけて旅する人もいます。
ジョン・ミューア トレイルなどは世界中の憧れのトレイルだそうで、自分はそれまでよく知りませんでした。

シェラカップという、今ではキャンプの定番のカップがあります。
そのシェラカップの元祖を作ったのは、アメリカの自然保護団体 SIERRA CLUBの会員用のカップだったそうです。
ナチュラリストで有名な、ジョン・ミューア氏が創立した団体です。

30年前に買ったシェラカップ

アウトドアが昔から好きだった私は、高校生の時、そのSIERRA  CLUBのオリジナル版が欲しくて、頑張って買ったのを覚えています。
ただそんな経緯を深くは知らず、ただシェラカップ買うならSIERRA  CLUBでしょう、という安易な気持ちだけでした。
30年経った今でも愛用していて、お気に入りの道具のひとつです。

旅行先のホテルで見た写真集には、そのSIERRA  CLUBの紹介や、ロングトレイルの歴史、トレイルの風景などが載っていました。
こんな世界もあるんだな、なんで今まで知らなかったんだろうと思い、割と夢中になって写真集を見ました。
こんなところへ自分の足で行ってみたいなと、ふと思いがよぎりました。

はたして、いつか自分にも行けるんだろうか?

ただ自分はもう40代後半に差し掛かったところなのです。

いつかなんて言っていたら、いつ行けるんだろうか? そのうち年齢的にも自分の足で行くことはできなくなるかもしれない。
世の中にはまだまだ見たことのない景色がたくさんあるのに、それを見ることのないままでは勿体無いなと思えてきたのです。

登山をあらためて本格的に始めようと思ったのは、そんな写真集を見たことがきっかけの一つでした。


キャンプも素晴らしい自然の景色の中で過ごすことが醍醐味です。
ただキャンプブームが年々盛り上がり、オートキャンプ場には連日大勢の人が来るようになりました。
キャンパーの中にはマナーの悪い人達も増えていて、キャンプ場はゴミだらけ、中には夜中までどんちゃん騒ぎする人達も出てきました。

静かに自然の中で過ごすことが好きだった自分にとっては、賑やかなキャンプ場は居心地が悪くなっていました。

きっと山の上まで行けば、静かに自然を満喫できるのではないだろうか?
そんなことも、登山を始めたきっかけでした。

櫛形山の登山道

そうして2年弱、月に2回位のペースで色んな山へ登っています。

昔からたくさんの人々が山に魅せられています。
私などはベテランの方々からするとまだまだ若輩者ですが、山の魅力の奥深さをまざまざと感じています。

登山とは、技術や、身体能力、知識、経験、ありとあらゆる能力が求められます。
そして限りなく自然に対して敬意を払い、謙虚な態度でなければならないと教えてくれるのです。

初冬の赤岳

もう少し若い頃から山の魅力を知っておけばよかったと後悔もします。
いや自分にとってはこの年齢になったから、気付けたことだったのかもしれません。

あとどれくらい山に登れるか分かりません。
一生のうちに、あとどれくらいの絶景に出会えるか本当に楽しみです。

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