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株主提案の動向②(2022年6月株主総会)~気候変動(SDGs/ESG)関係
上場企業の株主総会において、株主提案権が積極的に用いられる傾向が現れてきています。公表されている情報から、2022年6月の株主総会における株主提案の事例を集めてみました。
第2回は、近年注目が高まっている気候変動関係の株主提案の事例を紹介します。なお、この分野については、2021年度の状況についても過去のnoteの記事でまとめていました。2022年度も類似の提案がなされています。
1.三菱商事の事例
昨年度は住友商事さんで株主提案がなされたのですが、本年度は三菱商事さんの方で同様の提案がされています。以下、招集通知から提案内容を抜粋します。
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会社側の反対意見は以下のとおり、詳細な内容となっています。このような開示を会社に行わせ、議論を促すことが目的とも窺われますが、その意味では、一定の目的は達成されているということにはなるでしょう。
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決議結果は以下のとおりでした。第5号議案については、約20%の賛成票を集めています。定款変更議案ですから、簡単に可決に至ることはないと思われますが、三菱商事さんのような規模の会社で約20%の票が集まることについてはやや驚きがあります。
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2.東京電力HDの事例
電力会社の株主総会では、毎年多くの株主提案がなされるのが通例ですが、東京電力HDさんの株主総会における本年度の株主提案の中に、少し毛色の違ったものがありました。
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この第3号議案の提案は、9.55%の賛成票を集めています。他の株主提案と比較すると、賛成率はやはり高い傾向が窺えますね(第11号議案は報酬の個別開示議案です)。
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3.中部電力の事例
中部電力の株主総会では、東京電力HDと類似する株主提案が行われており、同一(同一グループ)の株主によるものと推測されます。
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こちらでも19.9%の賛成票を集めています。
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その他の各電力会社の株主総会における株主提案にも、脱炭素社会(カーボンニュートラル)の実現などに関する議案が増えているように見受けられます。
4.Jパワー(電源開発)の事例
Jパワーの株主総会でも温暖化対策に関する株主提案がなされ、話題になりました。報道によれば、英銀系のHSBCアセットマネジメント、英ヘッジファンドのマン・グループ、NGOのオーストラリア企業責任センターとの共同での株主提案とのことであり、注目すべき動きのように思われます。
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決議結果を見ると、第8号議案については25.8%の賛成票を集めていました。
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5.三井住友FGの事例
昨年はみずほFGさんの方に株主提案がありましたが、本年度は三井住友FGさんの株主総会で株主提案がなされています。この件に関しては、国際環境NGOである 350.org Japanが共同提案者を代表し、株主総会において提案内容を説明したとのことです。同NGOのリリースに、その背景等について詳しい説明が記載されています。また、会社側からも詳細な意見が出されています。
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決議結果をみると、以下のとおり、27.05%の賛成票を集めています。かなり高い賛成率であることが分かります。
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小括
SDGs/ESGへの意識がかなり急速に進む中、気候変動関連の株主提案についても、決して無視できない割合の賛成票が集まる傾向が見られます。手段としての株主提案の使われ方としても、注目しておく必要があるでしょう。
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