第20刊7月号

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マリオネ・テスタと空欄[K] 第四話

著・亮月冠太朗  絵・市川正晶

 

 俺は宵に、焼ける空を見上げる。

 焔がただれた眼にしみる。

 屋上が焼き野原のように赤く染まり、そこに俺の影だけがどす黒く伸びている。

「あの日、お前が失ったものは何だ?」

 空が鳴る。その中心を睨みながら握る拳の中で、固体にも似た血流を押し殺す爪が今にも割れてしまいそうだ。割れてしまえばいい。解き放たれた怒れる血が体内を駆け巡り俺を急かす。そうし

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