初心者投資家の企業分析 レアジョブ(6096)
銘柄:レアジョブ(6096)
結論:買い
<アジェンダ> ①会社概要 ②事業展開 ③直近の株価・指標 ④業績 ⑤見極めポイント
①会社概要
累計無料会員数が94万人を突破した、オンライン英会話の最大手。フィリピン人講師との遠隔英会話レッスンを、個人・法人・教育機関向けに展開。現在登録されているフィリピン人講師は6,000名に上り、英語力や講師としての適性を選考したうえで採用。採用後はトレーニングを実施し、レッスン品質を高めることに注力しており、それが競合他社との差別化ポイントとなっている。日常英会話コースやビジネス英会話コースがあり、個人は9割以上が日常英会話コースを利用し、法人はビジネス英会話コースが多い。日常英会話コースで最も利用されているのは月額6,380円(税込み)の毎日25分プランで、毎日1レッスン受講すれば1レッスン当たり206円(税込み)で受講できるため、割安感がある。
②事業展開
上記①のように、同社はオンライン英会話の企業であり、個人・法人・教育機関へのサービス展開を行っている。そのサービス展開を加速度的に伸ばしていくために、最注力しているのが、アセスメント(英語力評価)サービスの「PROGOS」である。
<アセスメントにおいて日本人が抱える多くの不> ・数か月も前から予約する必要がある ・当日、特定の会場に行く必要がある ・今でも試験の一部は手書き ・結果が返ってくるまで何週間もかかる ・人が採点するため、費用は上昇する一方 ・「話す(伝える)」力を判定できるものが少ない
PROGOSは話す力を中心にAIで判定し、採点結果とフィードバック、今後の学習についてのアドバイスをスピーディーに実施することができるため、英語力の測定→改善のサイクルを高速で回すことが可能になる。同社は、このアセスメントにおいて圧倒的な立ち位置を形成することで、その周辺のマーケットを効率よく獲得することができると考えている。
▼アセスメントと周辺市場の関係性
▼同社が獲得を目指すマーケットの規模
▼同社が将来実現したい世界のイメージ
③直近の株価・指標
2021年6月21日の終値は1,753円。3期平均の各種伸び率は非常に大きいが、予想PERは30倍程度と、割高感を感じない水準となっている。また、ROEも24%と非常に高く、投資妙味がある銘柄と言える。
④業績
▼事業ごとの実績
▼費用内訳
受講率が上がると原価がかさむ構造となっており、コロナ禍で在宅率が上がったことによる受講率の上昇で、講師報酬(売上原価)が大幅に上昇している。ただ、同社はこの原価上昇は一過性のものと捉えており、2021年度以降は平常に戻ると想定している。2020年度は個人向けの原価がかさんだ分、法人営業の採用をおさえて販管費を調整したため、営業利益率は向上したが、法人・教育機関向けの売上高成長は緩やかになっている。
▼キャッシュフロー
2020年度から2021年度にかけて、フリーキャッシュフローは3.4億円増加しており、次なる投資への準備期間と位置付けている。
⑤見極めポイント
★PROGOSはアセスメントの圧倒的な立ち位置を形成できるか
現在、日本において広く認知されている英語力のアセスメントはTOEICである。TOEICの運営会社はIIBC(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)という日本法人である。HPにも記載されているが、TOEICは「聞く」「読む」の能力を計る試験であり、「話す(伝える)」能力を計る手段にはなりえない。その点、PROGOSは「話す」能力を計ることに特に長けており、質の良いアウトプットが求められるビジネスシーンによりフィットすると考えられる。また、PROGOSの判定基準は国際基準であるCEFR※に準拠してAIが採点しており、「国際基準の判定×スピーディーなフィードバック」が受けられる。同社はTOEICの受験回数の増加ペースを引き合いに出しながら、強気な拡大KPI(今期、年間100万回)を公開しているが、既存法人顧客への導入が進んでいるほか、2021年4月には中央大学の全学生2.5万人を対象としたプログラムに採用された。教育分野でもグローバル人材の育成に本腰を入れる方向に進んでいることは、同社にとっては追い風で、拡大KPIも実現可能なのではないかと思わせる。
※CEFRとは、ヨーロッパで「外国語学習者の習得状況・言語運用能力」を示す共通の基準として設けられた。文部科学省が新学習指導要領における、英語の評価指標として使用している等、幅広く活用されている。
▼TOEICは「聞く」「読む」能力を計る試験。PROGOSとは意義が違う(TOEICのHPより)
▼PROGOS受験者数計画。想定通りの受験回数のUPを実現できるか
★外国人労働者向けの日本語スピーキング力向上研修にも着手
今後の日本は少子高齢化により、人口減少・労働力不足が喫緊の課題とされている。同社はアセスメント事業を英語だけではなく、日本語にも展開することで、日本の外国人労働者の活用を促進するキャリアサービス事業を開始。東京外国語大学との共同開発を進めている。
▼外国人労働者向けキャリアサービスのビジネスモデル
以上から、私はレアジョブ(6096)を買いと判断しました。(2021年6月23日現在)
株式投資を始めて1年弱の初心者が、初心者なりに企業分析をした内容をアウトプットしていくコーナーです。分析する企業は筆者が気になっている(すでに投資している銘柄含む)を独断で選んでいきます。
あくまでも素人目線なので、投資判断は自己責任でお願いいたしますm(__)m
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