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遺言書の活用は相続のトラブル対策に有効

相続のトラブル対策として遺言書を活用していくことについて考えていくその前に、まずは“ 相続について ”整理しておきます。

相続というのは、人が亡くなった時に亡くなった人(被相続人)が所有している財産を引き継ぐことを言います。引き継ぐ人は配偶者や子供、養子などで、彼らのことを相続人と言います。

相続といえば相続税が関係してきますが、2019年度の例で言うと、138万人の被相続人、つまり亡くなった人が居て、そこから相続税を納税している人は11万5千人ほどで、約8%になります。ちなみに納税額の平均は一人あたり1700万円と大きな金額になっています。

このことから、相続でトラブルが起きるのは裕福な家庭が多額の資産(金融資産や不動産など)を相続するときに発生すると思われることが多いのですが、むしろ裕福な家庭であれば、相続財産の額も高いことから、事前に相続対策が出来ているところも多く、相続トラブルに発展しないことの方が多いようです。

むしろ、裕福ではない一般的な家庭のほうが、相続対策をしていないケースが多く、親が遺した実家の土地建物や預貯金を巡って争っていると言っても過言ではありません。

このことからも、相続トラブルの対策は一般的に家庭の方こそ、しっかりしておく必要があるというわけです。


遺言書とは?

遺言書というのは、被相続人が生前に意思を書き残した書のことで、相続を行う際に、被相続人の意思が書かれた遺言書に従うのが相続の基本となります。

どのような財産がどれくらいあって、それらを誰にどのように相続させるのかについて、遺言書がある場合はその指示に従わなかればいけないという強制力があるのが遺言書となります。

ですが、すべての被相続人が遺言書を書き遺しているわけではないため、被相続人(親など)が亡くなって相続が発生した場合には遺言書の捜索と検認が必要になります。

遺言書が無くても、遺産相続の手続きを行うことは可能ですが、遺言書があったほうが遺産相続の手続きはずっとスムーズになります。


3種類ある遺言書

遺言書には、遺言の全文、日付、氏名を自署し、押印することで成立する自筆証書遺言と、公正約だで公証人に作成してもらう公正証書遺言、内容、場所ともに秘密にしながら作成の記録と証人を残しておくことが出来る秘密証書遺言があります。

それぞれの遺言書の種類によって、相続が発生した時に相続人が取る対応は変わってきますので、相続人としては被相続人から生前にどのタイプの遺言書を書き残すのかを教えてもらっておくことが望ましいといえます。

また、法改正で財産目録は手書きでなくてもパソコンでの作成が認められるようになりました。

遺言書の作成で、特に注意するべき点のひとつに財産目録の精度があります。
特に、トラブルになりやすい財産の筆頭としてある不動産には注意して目録を作成していかなくてはなりません。


財産目録で注意する不動産という財産

高い価値を持ちながら、計算や分割が難しいのが不動産の特徴です。例えば、自宅の土地や建物、お店をやっているのであれば、店舗、農業を営んでいるのであれば農地などが考えられます。

また、被相続人自身が使用していない土地や建物、つまり他人に貸しているものも財産に含まれます。

反対に土地を使ってはいたけど、被相続人が権利者ではなないというケースもり、借りている不動産の権利、賃借権を被相続人が所有していた場合、それも相続の対象となります。

賃借している不動産で利益を得ていた場合は、その建物を利用する権利も相続対象となるからです。その際は、借り主への賃料の義務も一緒に相続することになるため、注意が必要です。

このことから、財産目録の作成時や相続発生時には被相続人が所有している不動産という財産については特に注意することが求められます。

預貯金や株式などは金額も分かりやすく確認も容易ですが、不動産の場合は、固定資産税の納付書や権利書を探して、それを元に名寄帳の確認、登記事項証明書、固定資産評価証明書を取得して、名義と価値を確認していくといった手順で進めていきます。


使い道のない不動産は早めに専門家に相談する

財産目録を作成して、遺言書の形が整い、一旦相続対策は落ち着いて、そこから時間が経過して親が亡くなりました。相続の準備は万全にしていたので特に慌てることもなく手続きが進んで一安心ですが、そこからの行動でその後が大きく変わってきます。

相続した地方の実家に住む予定が無いのであれば、そのまま放置することなく早めに売却や賃貸などの手続きに入りましょう。

いまは、持ち家=資産ではない時代です。一戸建ての空き家は相続で取得したケースが54.6%という数字を出しており、半数を超えています。

不動産が負動産にならないように、一日も早く不動産の有効活用に取り組みましょう。

その時は、信頼できる不動産の専門家に相談されることをお勧めします。

■遊休地の有効活用:https://threedesign.co.jp/

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