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相続と不動産の初歩の初歩

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“相続”や“不動産”と聞くと、そういった仕事をしている人か実際に親から不動産や現金を相続された人やこれから相続対策をしようとしている年配の人以外はきっと、こんな風に思っているんじ…
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#遺産分割

実家を相続することになりそうだけど、どうしたらいいかわからない時

4年ぶりの帰省。 海外での仕事が楽しすぎて日本に帰国することをずっと後回しにしてきたけど、そろそろ親に顔を見せないと・・・ そんな後ろめたさも手伝ってか、思い切って長期休暇を取った奈保は、父への高級ブランデーを片手に成田空港のラウンジのソファーに座り、スマートフォンの電源を入れて実家の母に電話を掛ける。 「もしもし、お母さん、今さっき成田についたのでこれから帰るね」 そんな一報を入れて、成田エクスプレスの時刻を検索した。 新宿で特急のあずさ2号に乗り換えて、実家のあ

相続は大きく7つのポイントに分けると理解が楽

その日は仕事が休みで自宅のソファーでスマホでゲームをしていた新井 友洋(あらい ともひろ)は、画面に表示された母親からの着信画面に少し面倒くさそうに対応した。 「何?どうしたの?」 スマートフォンから聞こえてくる母親の声は明るく、やっと順番待ちの施設から連絡が来て入れる事になったということだった。 要介護認定を受けたばかりの今年83歳になる母親の初代(はつよ)は、息子の友洋にこれから入る施設についていろいろと話し始めていた。 母親の事はこれまで、兄の貴彦(たかひこ)に

相続の最低限の知識は持っておいたほうがいい理由

警備員の制服に手を通しながら今年で75歳になる後藤 英久(ごとう ひでひさ)は考えていた。 一日中、立ちっぱなしのこの警備員の仕事がキツくなってきた。 「もう、年かな・・・」 そんなことをこの10年近くつぶやいている。 医者からは、お酒の量を減らすように言われているけど、もう75歳だし、そこまで我慢して長生きはしたくない。 だけど、自分が死んだ後にいろいろと面倒をみてくれている妻の希和子(きわこ)には、ちゃんと残せる物を残して幸せに暮らしてほしい。 希和子とは、英