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相続と不動産の初歩の初歩

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“相続”や“不動産”と聞くと、そういった仕事をしている人か実際に親から不動産や現金を相続された人やこれから相続対策をしようとしている年配の人以外はきっと、こんな風に思っているんじ…
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#被相続人

相続の専門家、誰に何をどのように頼めば良いか?

母親の佳子(よしこ)と無事に今後のライフプランこと、つまり母親の佳子が死んだ後の事、相続のことや死ぬまでの時間の過ごし方、家族との関わり合い方について話を終えて、正しい手順で遺言書を書いてもらい法務局の“自筆証書遺言保管制度”を使って、遺言書を法務局に預けて来ました。 遺言書の内容に関しても、兄弟全員に無条件で財産を分割するというわけではなく、母親のライフプランに合わせて寄り添える兄弟には厚く、自分の生活を優先する兄弟には薄くといった公平さを財産の配分に反映してくれており、

遺言書を書いてくださいと頼む時に考えること

貴生(たかお)は母親の佳子(よしこ)が一人で住む実家に向かっていた。 7月の初旬の汗ばむ陽気の昼下がり、実家の最寄り駅に着いた。 途中まで妻と子供も一緒に来ていたがターミナル駅で降りた妻と子供は、予定していた水族館へ遊びに行った。 もともと、そのようにスケジュールを取って貴生は母親と二人で今後のことについて話をするつもりでいた。 父親の忠司(ただし)が亡くなってもう3年が経つ。 母親も元気だけどもう74歳だ。 いまは一人暮らしが出来ているが、そのうち病気になったり、

人生終盤のその悩みを遺言書を書くことで解決するかもしれない

夫の秋山 忠司の葬儀を終え、妻の佳子は弔問客を見送っていた。 心の準備はしていたつもりだったが、実際に夫を見送ると心にポッカリと穴が空いたように呆然としてしまった。 人が死ぬと様々な手続きがあることは知っていたが、大事な夫を失った直後だとそんな手続きも思うように進められない。 夫の忠司が病気で入院してから今日の葬儀を終えるまで幸いなことに、長男の貴生の嫁の奈央子(なおこ)が献身的に助けてくれたが、3人の子供たちは葬儀に関する幾つかの事柄は手伝ってくれたが、葬儀が終わるとそ