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『ブラックツイン』組織犯罪対策部特攻班 沢里裕二 双葉社

コロナにより今までとは違う年末年始を過ごしながらの2021年最初の警察小説。より混沌とする日常が想像される中で、警察小説との向き合いも変わってくるのかなと考えたりもする。業務に忙殺され、肉体的にも、精神的にも追い詰められてくると無性に警察小説を読みたくなる。疲れてるとジャンクフードを食べたくなるが如く。しかし、いまは、忙殺されるほどの量がない。ただ、仕事を生み出さなければならない状況であり、急激な変化にどう対応し、生き残るかを考えなくてはという精神的な焦りがある状態である。そうなると、なかなか、体が警察小説を求めるということはなく、時間もあるしとか、新刊出だしとか、趣味の延長線みたいな感覚になっている。だからどうしたということでもなく、それはそれで、とも思っている。その中で、どんな作品に出会い、何を面白い!と感じるのか。今年はその変化も楽しみたい。
と、前置きが長くなったが、本作。コロナ禍を踏まえての作品だが、面白かった。シンプルに中華系ということだけでなく、アングラの世界もより複雑になっていて、単に一つの事件をではなく、複合的に絡んでくるなと。ただ、一方で、本能的というか、人間的なぶつかりもある。シリーズとして、今後に繋がる終わりになっているが、どう続くかに期待を持てる作品。あっという間の一時間くらいで読んでしまった。

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