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Adobe Summit2018とその共有会での社内の反応を振り返る

2017年10月にAdobe senseiを発表し注目を浴びたアドビ株式会社のマーケター向けカンファレンス、「Adobe Summit」。
マーケター向けと言えど、今年のテーマは「Experience Maker」(エクスペリエンスメーカーになろう)でした。

カスタマー中心設計の考え方をマーケターも持つべき、ともとれるこのテーマがマーケティングのカンファレンスで首尾一貫して語られていたことが印象的でした。

Adobe Summit2018の内容

数多くのセッションが開かれましたが、話の主軸となっていたのは3つです。

1. AIによる自動化・効率化
Sneaksでも、さまざまなデモが用意されていましたが、キャンペーン設計の自動化や、カスタマージャーニーマップ自動作成をスイスイと行っていた様子は驚きがありました。(会場からため息が漏れる)
これを使えば、これまでセグメントごとのUXを考えるところが精一杯だったのが、あっという間に文字通り個別最適化できるわけです。

カスタマージャーニーマップ(左上の図)の自動生成の様子がこちら↓(Adobe Sneaksより)

「今すぐ入れてみたい!」という声が聞こえましたが、実用化はまだまだ先の話みたいです。(あと日本語対応も考えるとかなり先かな...)

社内でも最近強化学習が熱くなってきており、データ分析チームとサービス連携の可能性を模索しています

具体的な事例がSpeaker Deckに落ちていたのでよかったらどうぞ↓


2. データのサイロ化を防ぎ、全てのチャネルで一貫した体験を届ける
比較的大きめの企業が集まるカンファレンスだからこそ、刺さるトピックであったと思います。
今後カスタマーとの接触チャネルが増加していくなかで、裏側でのデータ連携がとれていないことは、サービスとして致命的になっていきます。

セッション内ではユーザーが残すログ情報が、さまざまな部署に分散してサイロ化されてしまう(下図参考)ことの課題解決事例がよく話されました。
下の図は、あらゆるデータが取れているにもかかわらず、モバイルのチームやメールのチーム、CRMのチームなど、データが個々のチーム内でサイロ化してしまっている、ということを表しています。

連携だけではなく、セキュリティも重要。ここらへんは日本ではシビアですよね。「先進的な体験を受けたいと思う顧客がいるように、自分の情報を利用されたくないという顧客もいるのでは?」という問い対してAdobeのCEOナラヤン氏はこんな風に答えています。

「個人によって求めている物は違う。ユーザーが求めている経験を提供するためのコントロールができないといけない。そういうソリューション構築をしている。」

そういうコミュニケーション設計を我々も考えていかねばなりませんね。

3. オフラインのチャネルをもっと増やしていこう
今後、カスタマーへの個別最適化を極めていくと、オンラインチャネルだけではなく、オフラインチャネルも増やし、カスタマーのジャーニーを追いかける必要が出てきます。

弊社はネットサービスですが、カウンターのようなオフラインでカスタマーと接するチャネルもあり(こんなの)、今後はそういったオフラインとネットのオンラインの接続がより重要になっていくでしょう

社内共有会で話しました

と、そういう内容を社内で、主にディレクターに向けて一回、またひょんなことからデザイナー・エンジニアの集まる場でさらに一回共有しました。

ディレクターとの議論

視点がROIや大きな規模の企業でやる難しさ、というところに向いていました。

👩<Adobeが示す未来は魅力的だが、どのツール(郡)を使っていくのが正しいのだろうか?
Adobe製品に類似したサービスは、制作ツールでも集客ツールでも、世の中に多く存在しています。Adobe製品にも、それに類似したサービスにもそれぞれメリデメはある中で、
「Adobeのツール同士の互換性の高さ」みたいなところは、今後一貫したサービス設計などをする中で強いなあと思いました。
が、やはりコスト面は気になるところですよね...

👨<ツール入れるとなると社内調整...本当に難しいよね
オフラインチャネルを増やす、新しいツールを多グループに渡って統一する、という決断はボトムアップではやはり厳しいところ。
トップダウンで動くべきだなと感じるところも、今回のカンファレンスのなかでは多々ありました。

デザイナー・エンジニアとの議論

効率化の話が、自分たちのスキルと被る部分が多い内容であったため、具体的な機能の話になりました

👩<AIみたいなトピックにも、デザイナーとしての働き方にも、アンテナはっていかなきゃ
今回はバナーのような細々したクリエイティブの自動化でしたが、今後アプリなどのUIデザインもほとんどの工程をAI任せにできてしまうでしょう。働き方も変わってきますよね。

👨<本当に使える未来がまだ見えない
これは実際にAIを利用した社内プロジェクトに参画していたエンジニアの方のお話。
実際に使ってAIのすごさを感じたけれど、ここまで自動化された機能が本当に実現するのだろうか?という問いです。

まあ確かにSneaksのデモは60%くらいの完成度らしいのですが、今で60%ということは、再来年くらいにはできているのではないかなあと思っています。

終わりに

同じAIというテーマなのですが、ロールによって切り取り方や感じ方が異なり視点も違います。今回の2つの共有会の違いは自分の中でも新しい気づきになりましたし、多様な人が集まってディスカッションするとより面白い気づきが生まれそうだな(企画したいな)と考えています

社内共有会のイベントを開催している身としては、パネルディスカッションやディスカッションをもっと増やしていけたらと思うのだけど仕立てが結構大変でちょっとやり方考えあぐねてる。けどこれはまた別の話で


ちなみに社内だけじゃなくて、社外でも話しました。↓


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