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空飛ぶ円盤が墜落した町へ

『空飛ぶ円盤が墜落した町へ―X51.ORG THE ODYSSEY 北南米編』 佐藤健寿 (2015/04)河出文庫

写真家、佐藤健寿による南北アメリカ紀行文。いや、奇行文。
著者の写真集「奇界遺産」を見たときの衝撃は忘れられない。
武蔵野美術大学を卒業後、世界各地の“奇妙なもの”を対象に、撮影・取材・執筆を行ない、テレビ「クレイジージャーニー」の出演者として知る人も多いであろう。
その博物学的、美学的な視点は荒俣宏に通ずるところがあり、好む所でもある。
本書、北米編では「エリア51」やUFO墜落事件のあった「ロズウェル」」の地を訪ね、南米編では、ナチスのUFO秘密基地「エスタンジア」の存在を求め、かつて同じく「エスタンジア」の探索を行った作家、落合信彦(落合洋一の父)の足跡を辿る記録が描かれ、最高だった。
ちなみに本書でも紹介されていた、落合信彦『20世紀最後の真実』(現在絶版)も今から40年以上前に書かれたルポであったが、面白かったなあー。
今でいうとトンデモ本の一種になってしまうのかもしれないが、そこに僅かに残された真実を探し出すのが読書の醍醐味で、その真実がまた、万人にとっての真実でないことを知ることもまた、人生の妙味ともいえる。
いやあ、でもUFO、そろそれ現われてくれないかなあ。
家内は幼い時におじいちゃんと見たことがあると言っていたが、自分は一度も見たことがない。
この手のUFO、オカルト話となると、あるかないか、信じるか信じないかの2択を迫られることはよくあることなのだが、自分は信じる、信じないというよりも、見たい、知りたいだけなのだ。
ある筋から聞くところによると、今後、UFOの目撃情報、報道は盛んになってゆくらしい。
いつか目の前に現れるUFO、不思議な現象をこれからも楽しみに生きていゆきたい。

「では異国の人よ、本当のことをありのままに話してあげよう」

ホメロス『オデュッセイア』第4歌


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