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絵本としてのプレイステーション

家にあったPS2を絵本代わりに、読み聞かせを行い、娘を育ててきた。

ソフトは主に「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「ワンダと巨像」「大神」といった広大なフィールドを駆け回ると同時に、作り手の世界観を存分に味わえる自分の好きなゲームがほとんどであった。

特に娘が好んでいたのが、ドラゴンクエストシリーズであり、このゲームを通して、文字を覚えたといってもよいかもしれない。

最初はカジノのスロットマシーンやビンゴゲームで戯れるだけであったが、次第に物語の中に引き込まれてゆき、ゲームを通していつのまにか、すらすらと文字を追えるようになってしまった。

ゲームを通しての読み聞かせは物心つくまえから始めていたので、大抵の漢字は読めるようになり、小学校入学前から攻略本を読みこなし、いっぱしのゲーマーへと育っていった。

自分の経験上、幼少時にゲームにハマることは避けられないと考えていた。よって、できるだけ良質な名作にたくさん触れ、つまらないゲームに時間に費やすことが少なるなるようにという親心あってのゲームの読み聞かせであったが、学習面でも驚くほどの効果があった。

まず、文字が同世代の子ども達と比べ、比較的、早い時期に読めるようになり、また読書に対する抵抗もなく、ゲームをしない時にはよく本を読む、本好きな子どもへと育った。

また、ドラクエで培った謎解きの要素がある種の計算問題やパズルが解けた時にもあるらしく、算数好きにもなってしまった。

他にもゲームの攻略本や説明書を読むことの楽しさは図鑑や社会や理科の調べ学習にも通じる所があるようで、夏休みの自由研究などはやってみたい事、調べてみたい事がたくさんあり過ぎて、困る位だという。

音楽面にも効果は絶大で、ピアノ教室に通うことなく、自分の弾きたいというドラクエの曲を母親に教わりながら、数曲弾きこなせるまでになった。

他にもゲームを通じて養われた冒険魂はTV画面を越えても発揮され、釣りやキャンプなどのアウトドア、焚き火やナイフ作りにまで関心は及び、休日は屋外で遊ぶこともしばしばだ。

最近では弓や剣、武術にまで興味が拡がった一人娘の行く末を見守っているのだが、まさに我が家のプレイステーション、「遊びの駅」として、様々な遊びと学びの旅へと娘を導いてくれた。

娘が成人するまでの残りの月日をもう暫く、娘とプレイステーション共に楽しく過ごしていきたいと考えている。

ちなみに現在、二人で始めたゲームは「信長の野望」

歴史の勉強になっているのは言うまでもない。

駅(うまや)にて遊びやせむと学びけり 学びやせむと遊びけるかな







人の世に熱あれ、人間(じんかん)に光りあれ。