日本ユニセフ協会「ロヒンギャ難民支援報告会」
今日は品川へ、日本ユニセフ協会による「ロヒンギャ難民支援報告会」にお邪魔しました。
2017年8月にミャンマー ラカイン州北部で起きた未曽有の大弾圧から2年、ミャンマーとバングラデシュ双方の事務所代表からロヒンギャが置かれている現状と支援状況、そして課題等が報告されました。特にミャンマー側は制限が厳しく情報も少ないため、このような報告を聞くことができる機会は貴重です。
バングラデシュ側の課題として挙げられたのは、
「難民の人々は完全に援助に頼っている状態」「接続的な解決策への道筋が不透明」「政治的にセンシティブ」「限られた土地と過密」「大半の15歳~24歳の若者が教育あるいは職業訓練のいずれにも従事していない」「モンスーンやサイクロンによって複雑化する、不十分なインフラ、道路へのアクセス、物流」「支援へのアクセスが困難な10代の女の子や障がいのある子供たちへの支援」「児童労働、早期結婚、人身売買といった負の対応メカニズムの増加」
ミャンマー側の今後求められる支援として挙げられた内容として、
「複雑化した現状の理解と、ミャンマー政府への継続的な協力と支援。日本は政治レベルで重要な役割」「柔軟性のある資金により、危機によって最も影響を受ける子どもや女性への継続的な支援が可能に」「平和と繁栄のもと、より包括的、持続可能な開発への道のりを歩めるよう、ミャンマーの人々や子どもを支援」
質疑応答では、今年8月25日以降、バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプ、RRRC(難民救援・帰還委員会事務局)のムハンマド・アブル・カラム委員長や、複数のキャンプ担当者らが更迭、難民キャンプ内の携帯電話のデータ通信が遮断、多くの支援団体の活動も困難になる状況で、ユニセフとしての見解や対策を知りたいということ。
ミャンマー側では「ラカイン州内において、学校建設や修復」「難民危機の影響を受ける村への教育の提供」という報告について、比較的状況や治安が落ち着いているラカイン州南部、ミャンマー軍とアラカン軍の衝突が激化する州中部、外国人の入域すら一般的に不可能な大弾圧が起きた州北部、それぞれの地域の支援状況やバランスについて質問しました。
先月ニューヨークで行われた国連総会で各国からバングラデシュに対してロヒンギャ難民支援を今後も継続できるよう協力していく呼び掛けや意識合わせがされている、ユニセフとしてもバングラデシュ政府に呼び掛けていく。ミャンマー国内においても、ラカイン州内で「バランス」というよりも「支援が必要とされる場所で支援を続ける」という旨の回答をいただきました。
会場には在日ロヒンギャのゾーミントゥさんもいらして、支援に対しての感謝と、未だに日本政府が「ロヒンギャ」という言葉を使わず、「ベンガル系住民」「ベンガリ」といったミャンマーに合わせた差別的な表現を使っていることに関しての懸念等を参加者に訴えていました。
ミャンマーから帰国したばかりで疲れていてイベントに参加するか前日まで悩んでたのですが、ラカインの空気やロヒンギャの子供たちの温度がまだ肌に残っている状況で、結果的に学びが多く、個人的に冷静に頭を整理するためにも素晴らしい機会になりました。
ロヒンギャ難民支援報告会・概要(日本ユニセフ協会)
https://unicef.or.jp/event/20191007/
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