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機会の平等から条件の平等へ 〜「あらゆる家庭から義務をなくす」という企業ミッションに込めた思い〜

こんにちは、株式会社Antway代表の前島恵です。
Antwayではお惣菜の調理・デリバリーサービス「 つくりおき.jp 」を運営しています。
この投稿ではAntwayのミッションである「あらゆる家庭から義務をなくす」の意味や意義について僕自身がどう考えているのか書きたいと思います。

きっかけは家庭環境

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僕が家庭に関するミッションを持つ会社を作った理由の一つに家庭環境があります。
僕は4人兄弟の3男で、両親は小さいころから共働きで僕たちを育ててくれました。
僕が小学校高学年〜高校生までの約10年間、父親はうつ病を患っていました。(現在は本当にありがたいことに寛解しています)
父親は仕事はなんとかできたのですが、なかなか家庭や子育てのことには関わることができない時期もあり、ほとんど母親の「ワンオペ」と言っても良い状態で僕たち4人を育ててくれた時期もありました。
朝昼晩の食事を作り、朝早くから仕事に行き、僕たちにご飯を食べさせた後も残りの仕事をしている母の姿を見てきました。
当時僕たちは熊本県と埼玉県で過ごしていたのですが、母は福島県の出身でなかなか親や親戚を頼ることも難しく、その環境が「ワンオペ」的な状況をさらに加速させていたのだと思います。
きっと母は多くのものを諦めながら僕たちを育ててくれたのだと思います。
そのような経験から、「家庭の中にある義務を解消するために誰もが気軽に家庭の外の力を借りることができ、何も諦めずに仕事や子育てができる社会を作りたい」と考えるようになりました。

「あらゆる家庭から義務をなくす」とは

現代の日本には、家庭の中に様々な義務が存在します。
ここで言う「義務」というのは、できればやりたくないけれど、責任感や必要性によってやむをえず行っているタスクを指しています。
家庭の中には炊事、洗濯、掃除、買い物などなど無数の義務が存在します。
僕たちはそれらの義務を解消する便利で安心して使えるサービスを提供することで、家庭からそういった義務をなくそうとしています。
まずは家庭に存在する義務の中でも特に多くの時間とエネルギーが使われている「料理」と、最も強い義務感にさらされている子育て世帯にフォーカスして「 つくりおき.jp 」というサービスを提供しています。

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(「 つくりおき.jp 」で実際にご提供しているお料理です)


義務がなくなった先にあるもの

冒頭の原体験にもつながりますが、僕は様々な便利で安心して使えるサービスをご提供することで家庭から義務をなくし、この社会に「機会の平等」と「条件の平等」を実現したいと考えています。
「機会の平等」が実現された状態とは、誰もが義務によって時間やモチベーションを制限されずにチャレンジしたいことや自分が意味があると思えることに挑戦したり時間を使ったりできる状態です。
特に僕たちが現在最優先でその課題解決に取り組んでいる子育て世帯の方々は、義務によって機会に大きな制限がかかっています。
お子さんと会話したりコミュニケーションをとりたい、将来のキャリアのために勉強したい、そのような希望があってもご飯を作ることや家事に時間や心のエネルギーをとられて疲弊してしまい、機会が損なわれている方々が多くいます。
そうした義務を便利なサービスによって解消することで時間と心に余裕ができ、本来やりたかったことにチャレンジできる状態を作りたいと僕は考えています。

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(「 つくりおき.jp 」試食の様子)

「条件の平等」とは

また、僕自身は「機会の平等」の実現だけではだめで「条件の平等」も実現しなければならないと考えています。
「条件の平等」という言葉はあまり一般的ではないかもしれません。
日本でも有名な政治学者・哲学者のマイケル・サンデル氏がその著書の中で使っている言葉で、「どのような職業、キャリアを選択したとしても等しく尊厳を得ることができる状態」を指しています。
「機会の平等」が達成されて誰もが自分の望む選択をできるようになったとしても、必ずしも誰もが尊厳を得られ、幸福な人生を歩めるわけではないと思います。
たとえば、子どもができた後に子どもとの時間をしっかりと確保するためにあえて仕事を辞めて育児と家事に専念することを決めた女性がいたとします。
今の日本社会では、家事や育児がハイキャリアを築くことよりも評価されないということがあり、そうした人は「キャリアを諦めた人」と見なされることもあります。
このように、選んだ選択肢によって得られる尊厳が異なってしまう、場合によっては低い評価を得てしまう状態は「条件の平等」が達成された状態ではありません。

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(当社の女性社員キャリア座談会の様子より。ご家庭で育児にも励んでいるお母さん方から、キャリアや働き方についてよく相談をいただきます。当社としてもまだまだ課題はある状態です)


どのように「条件の平等」を達成するのか

「条件の平等」を達成し、誰もがどのような選択肢を選んだとしても尊厳を等しく得ることができる状態にするためには様々な努力が必要ですが、僕は一つのアプローチとして「家事労働の市場化」を推進しています。
「家事労働の市場化」とは、これまで無償で行われるもの、あるいは普通に会社などで行われる有償労働と比べて価値が低いものとみなされていた家事労働を、市場化=お金が支払われる対象にすることです。

内閣府経済社会総合研究所が2018年に公表した推計結果によると、日本における無償家事労働の市場規模は106兆円となっています。
本来であればそれだけの金額が支払われるべき労働が、無償で行われ、ものによっては見下されているのです。

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無償で行われるのが当たり前とされている家事労働をサービス化し、当たり前にお金が払われる状態にすることで家事労働自体の尊厳を高めていきたいと考えています。
もちろん市場化自体は万能ではなく、お金が支払われる対象にしてしまうことで神聖性を損なってしまったり、かえって不平等を加速してしまったりする領域もあります。
しかし、この家事労働領域においては市場化によるメリットの方が大きいと僕は考えています。
そうして、家事労働の尊厳を高めることによって、家事を行っている人、そして家事を行うことを選択した人も等しく評価され、尊敬される社会を作っていきたいです。

今回は、僕なりのAntwayのミッションにかける思いについて書いてみました。


最後に、絶賛採用強化中です!

僕は、Antwayを社会課題の解決と経済合理性の両立を目指して経営しています。社会課題の解決としっかりと利益があげられる仕組みを両立させ、利益をサービス改善に還元し続けることでより広く早く課題を解決できる、そんな会社を作っていきたいと考えています。ビジネスのフィールドで、現代日本が抱える社会課題の解決に真正面から取り組んでいきたい方は是非一緒に働きましょう。

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