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夢叶えに行ったらヌシみたいなのが釣れた 料理編

ただの日記で始めたnoteのはずでした。初回ですっぽんを扱ってしまったせいで、「そのへんの生き物を捌いて食って変な記事を書く人」みたいなイメージが付いてるみたいです。あくまでこれは日記です。心移りゆくよしなしごとを書きつくるやつのはずです。

タグに「#日記」と入れているのはせめてもの抵抗です。おかしいな……。

さて、前回のナマズの続きです。ナマズを捕獲できたことをTwitterで言ったら、頼んでもないのにあっという間に名前がつけられました。命名「なつみ」です。三日で消える命です。「また食べるの?」じゃありません。食べるために釣ったんです。

そんなやりとりをする中、いつもは静かなDMに通知がきました。送られてきたのは僕の苗字の入ったこの画像です。

人のナマズで名前占いをしないでください。

モザイク部分が僕の苗字です。インターネットリテラシーが高いので隠させていただきます。

続いて別の漢字をあてたものも来ました。

勝手に入籍させないでください。

「夏海」って漢字が好きだな〜、と何となく感じましたが、のんのんびよりのなっつんと漢字が同じだからでした。捌きにくくさせないでください。

僕の苗字って大凶なんですね……。

ナマズはその暴れ方から、昔は地震と関連があるとも言われていた魚です。今は陰謀による人工地震が定説ですね。地震を起こせるのがナマズから人に移りました。

捌く時に暴れることを考慮して、水に酒を入れるか氷で弱らせるか考えていましたが、

2日目の深夜に急に衰弱し始め、3日目の昼に事切れました。せっかくなのでそのまま河原まで持っていきます。

ホームセンターでベニヤ板を買ってまな板とし、目刺しを金槌で打ち付けます。

シール綺麗に剥がれない問題はそろそろ国際問題として扱ってもいいような気がします。

出刃包丁を画像のように板に突き立てると目立つし間違って落とすこともありません。気に入ってそればかりしていたら4回目くらいで板を貫通して嫌な音がしました。

聞かないフリをして続けます。

背開きにします。うなぎと違って全国的に背開きのようです。肋骨がめちゃくちゃな硬さでした。背骨はすっぽんと変わらない強さです。

「歯はヤスリ状」と言われますが、紙ヤスリではなく金属ヤスリです。手を入れてみたら抜けなくなり、四苦八苦していたら出血しました。生き物を捌くのに生傷は必須ですね。

それでは夢を叶えます。串を打ってたら指に刺さりました。そろそろ痛覚を捨てたくなってきました。

夢のクソデッケ〜〜〜〜〜〜〜蒲焼き

長い串もギリギリでした。ソロキャン用に買ったグリルが活きます。怪しい日本語の説明書が付いてくるタイプの中華製グリルです。

こちらがその収納袋です。

持ち手の縫い付けられ方が明らかに間違っています。

それがそのまま届けられる正真正銘の中華モノです。面白いので返品しませんでした。

実は今回、仕事の合間を縫ってナマズを食らいに来てくれた人がいます。

「親方」と呼ばれています。何故かは察してください。たくさん食べて社会の歯車の稽古に励んでもらいましょう。
火起こしで僕が酸欠になったので代わりに吹いてもらっています。心強さしかないですね。

綺麗に焼けました。恐ろしく肉厚で、火が中まで通るのにかなりの時間を要しました。串から外れたり灰を被ったりという試練を乗り越え、無事にタンパク変性を終えました。

二人で分けて蒲焼のタレをドバドバかけて食べます。

…………味薄くね?

白身魚の食感、ぶにぶにの皮、そしてどこかで混ざった砂利を噛み締めながら、「聞いてたんと違う」と首を傾げます。
親方はうまいうまいと食べています。よかった。

言ってる間に次の身が焼き上がりました。

徹夜明けのままほとんどなにも口にしてないため、味はなくとも箸はとまりません。もう昼です。食生活が乱れ尽くしています。

二つ目にして「ふわっ」と味がしました。「味した!味がした!!」と騒いだら苦笑いをされたような気がします。確かに美味しいです。

どんどん焼いて、胴体の肉は二人で食べ尽くしました。すごい満足感です。さすがの大きさだけあって、魚一匹で2人の腹を見事埋めました。

帰路に着く親方の大きな背中を見送り、広げたものを片付けて帰宅します。見回すとあちこちに道具を散らけていました。自分の部屋も河原も散らかり具合が変わりません。

帰宅したらそのまま気絶するように眠って、目が覚めたのが夜。生活に対してリズムを作るのはもう諦めました。

頭とひれは持ち帰っています。このままあら汁を作りたかったからです。

あんな頑丈だった皮が茹でるとこんなにまでなりました。臭みはないです。白だしの味がしておいしいです。

塩焼きにもしました。こちらは若干の生臭さがありました。ヌメリ取りが甘かったのでしょうか。

これでナマズはほとんど食べ尽くしました。可食部がとても多く、今後金欠の際にはものすごく重宝するでしょう。

ナマズに関して色々な動画や記事を見たところ、ドブ川のナマズが絶品だったり、逆に清流のナマズがいまいちだったり、など場所によって味の変化が非常に大きい上、水が綺麗だから美味しいという訳でもない、よくわからない魚のようです。

こちらの川のナマズは美味しいと言えば美味しかったです。鰻の代用には程遠いですが。

ケロイド体質なので今日の傷は残るでしょう。夏海の証として身体に刻むこととしました。

最後にどうしても反論しておきたいことがあります。

メスの魚を食べるだけで「女を食う」って言うのは語弊しかないです

ごちそうさまでした。

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