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道の曲がり角

暮れも押し迫ってきて、ようやく「赤毛のアン」を読み終えました。

NHKの朝ドラ「花子とアン」では、モンゴメリ作「赤毛のアン」の日本語翻訳者である村岡花子さんを描いていました。
作品の名前は知っていましたが読んだことはありませんでした。
それでも連ドラは面白く見させていただきました。

今年に入ってふとしたことから猛烈な「赤毛のアン」信奉者の存在を知りました。
女の子向けの児童文学だと思っていましたので、大人の女性をここまで夢中にさせる「赤毛のアン」とはどういう物語なのかと気になりました。
読んでみればわたしの女子力も高まるかもしれないと思い、読みはじめましたが、とても読み応えのある物語でした。

今夜がいよいよ最終章の物語でした。
アンは、想像力豊かでお喋り好きな女の子です。
両親を亡くし孤児となったアンは、孤児院からマリラとマシュー兄妹の家に引き取られていきます。
ほんとうは男の子が欲しかったマリラですが、手違いで女の子がきてしまったのです。

マリラとマシューに愛されて育ったアンは15歳のとき、クィーン学院にギルバート(喧嘩相手だった男の子)とお互いにトップの成績で入学し、翌年大学への奨学金をもらい卒業します。
大喜びで未来に夢をふくらませたアンでしたが、突然親代わりだったマシューが死んでしまいます。
アンは大学には行かず、マシューを亡くしたマリラと2人一緒にアボンリーで暮らす道を選びます。
ギルバートは、アボンリーの教員に内定していましたが、アンに仕事を譲ってくれたおかげでアンはマリラとアボンリーで暮らすことができるようになります。

マシューを亡くしたアンは、大学をあきらめたことについてマリラにこう告げるのです。

『クイーンを卒業したときには、あたしの未来はまっすぐにのびた道のように、ひらけて見えたわ。
ずっとずっとさきのほうまで見とおせる気がしたわ。
それが、いまは曲がり角が見えるの。
角を曲がったさきにはなにがあるのか、あたしにはわからないけど、きっといちばんいいことが待ってるって信じることにしたのよ。
そのさきの道はどうなっているのかしらってねー
かがやくばかりの緑の森や、やわらかな木もれ陽、木かげー
どんな新しい景色や美しいものや、丘や谷が、そのさきにあるのかしらって…』

まだ続編があるようです。
もっとワクワクしたい気持ちはありますが、今年はこのへんにしておきたいと思います。

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