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契約社員にも適切な評価制度を

評価制度を改革中ですが、そのうちのひとつとして、これまで不在だった「契約社員の評価制度」を導入しました。勤怠や仕事の精度、そして風土への適合などを入れました。導入まえの社内では賛否両論でしたが、期中面談が終了し、契約社員の方たちからはまずまずよい反応をもらっています。

そもそも契約社員とは何か

会社と本人の合意のもと、働く期間があらかじめ決まっているという労働者のことを言います。通常は1年更新(最長3年)です。
働く人にとってのメリットはさまざまですが、物流現場でよく聞くのは、
・収入として必要な分だけ働く時間を調整できる(例:扶養内)
・正社員のような責任を負わなくて済む
といったところ。
企業側にとっては、
・仕事量に応じて人員を確保できる
・職場との相性が結果的にあっていない方を終了できる(お互いのため)
といったところでしょうか。

無期転換ルール

契約更新が何度か更新されて通算5年を超えたときは、労働者からの求めに応じて、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるもの。物流現場では契約社員のほうが一定業務においてスキルが高い傾向にありますので、無期転換は意外に多いです。

ただ、無期転換になると、現実的にみて、有期雇用のときのような柔軟な働き方が難しくなるのと、無期雇用の前提である企業存続のために改善提案、人材指導やリーダー的な役割が入らざるを得ず、以前のようなメリットは少なくなってきます。

そして、無期雇用の契約社員の話でよく出てくるのが、正社員との処遇の違い。正社員とどこが違うのかということ。

同一労働同一賃金

同じ業務であれば基本給、賞与、手当、福利厚生などについて正社員と契約社員(派遣も含む)とのあいだに非合理な格差をつけてはいけないという法律です。

たとえば庫内仕分けでいえば、「作業」自体は正社員も契約社員も同じだと認識されやすいので時給換算で差をつけてはいけないことになります。

しかし仕分けミス、管理ミスなどへの対応(顧客への報告、リカバリー等)など責任範囲を含めた「責務」まで入れると、一般的にはそこは正社員が負いますので、契約社員とは異なることになります。

このように契約社員の方が安心安定安全に働けるよう法整備が次々となされていて、企業側もそれに応じてさまざまな処遇改善をすすめています。

一方で現実を踏まえると対応が追いつかないこともあるのも事実。

契約社員への評価制度導入での反応

・正社員登用の道があるのは知っていたけど、アピールの上手な人が推薦をもらって正社員になると思っていた。今回基準が示されたのでやる気が出てきました。
・頑張っても頑張っても時給が上がらなかったが、これから上がる可能性が出てきたので頑張ります。
・いままで会社は私たちのことなど関心がないと思っていましたが、これからはしっかり見てくれるんですね。うれしいです。

いままでも見ていないということはなかったのですが、契約社員の方は評価されたくないと思っているので評価制度など入れると嫌がってしまう、といった間違った思い込みがあり、いままで手がついていなかったようです。

それはそれであるのでしょうけど、お互いが気持ちよく働けること、ここをクリアしてくれれば(業務激減や事業閉鎖がない限り)来年も一緒に働けることなどを明確にすることは重要なことでした。

もちろん、

・扶養範囲内で働きたいので時給アップはしなくてよいです。

というような意見もありましたが、それでも評価はさせてもらい、別の形で報いるというのもあってよいと思います。

契約という働き方はこれからの時代においても大事な選択肢ですし、企業にとっても重要な位置づけにありますので、法改正への対応と同時に人事制度も充実させていき、よりよい関係を築きたいと考えています。

takaでした。