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「最高」を目指す競争ではなく

以前、経営陣として入っていた店舗運営会社でのこと。新規オープンに向けて事業計画をつくっている店長に対し、「STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)はどうなっていますか?」と聞いたら、こんな反応が返ってきました。

「STPとか、お客様を絞る意味がわからないです。この街すべてのお客様に喜ばれる、地域NO.1のお店を目指したほうがよくないですか?」

これに対し、
・すべてのお客様に喜ばれる強みをつくるのは難しい
・リソースが発散する
・あらゆるお店が競合になってしまう
等の話をしましたが、あまり納得してもらえなかったようです。

そんなことを言う私も、経営コンサルだったころは、「最高のコンサルになりたい」と考え、それを目指して切磋琢磨していた”愚かな”時期もありました。

最高を目指す、No.1を目指す。これらは、例えば、スポーツをやっていた人にとってはとても魅力的でワクワクするワードです。私も武道経験者ですので勝敗にはこだわっていたところがあります。

しかしながら、ビジネスの世界では、1位になる必要もなく、勝ち負けを気にすることもなく、だれかを徹底的にやっつける必要もありません。

お客様の問題が解決され、十分な利益が得られ、それを成長に向けて再投資できる。

勝敗ではなく、価値を生み出す競争(道を極める競争)で戦っていきたい。


この競争では価値がすべてだ。生み出す価値の独自性と、それを生み出す方法がものをいう。

独自性を目指す競争が、人間の営みのほとんどの分野で状況を改善できる

出所:マイケル・ポータの「競争戦略」

takaでした。