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置き去りにしていたことにはっと気づく

昨日は少し離れたところで4年ぶりの花火大会が開催される予定だった。


電車に乗るのと混むのが嫌いな娘は朝から行かないの一点張り。

花火大好きな夫と私はなんとか娘をなだめすかして一緒に行こうと朝から四苦八苦していた。


結局、なんだかんだいいつつ、花火大会についてきた娘。

しかし、途中から飽きて、「帰りたい、屋台に行きたい」とシクシク泣いている。

こちとら4年ぶりの花火なので、フィナーレを見逃す気は途中から消え、シクシク泣く娘をよそに夫婦で花火を最後まで満喫した。


帰りの電車は猛烈に混むことが予想されたので、娘のリクエストに沿って、屋台を見に行こうと夫が提案するも、すっかり拗ねてしまった娘は行かないとシクシク泣き続けている。

しかし、向こうにお面を売っている屋台がふと目に入り、「あのお面のお店に行きたい」と俄然元気になった。


私は留守番することにして、20分ほど待ったころ、娘が夫と意気揚々帰ってきた。

何やら生まれて初めて射的で伸び縮みするプラスチックでできたスプリングを当てたようだ。


早速開けて、帰り道ビョンビョン伸ばしたり縮めたりしながら得意満々の表情を浮かべている。

と、「お母さん、もつれた」


30分も経たないうちに、スプリングがもつれてこんがらがった姿に成り果てている。


⁉️


夫も私も目を剥く。

「なんてことしてくれたんじゃ」

娘は昔からもらったオモチャを一瞬で破壊する特技があった。


せっかく花火大会の最後の最後で機嫌を直したのに、これじゃトラウマになるわ!


帰り1時間ほどの電車の中、人目も気にせず、必死でからまったスプリングをほどいた。

あと3駅ほどで最寄りの駅、というとき、やっと元の姿に近しい姿に戻ったものの、一部が少し歪んで、完全には元の姿に戻らない。

「ここ、ちょっと歪んじゃって元に戻すのは無理だわ」

娘にそう告げ、恐る恐る渡すと

「私のだって一目瞭然で分かるから、オリジナルで良いでしょ」


かえってきた回答に、娘が夏休みに入り、若干私は情緒不安定気味だというのに、一方の娘はなんちゅう逞しさだ、と笑ってしまった。

***

この約3年間、コロナも言い訳に、地域とほとんど関わってこなかった。


5類以降後の初めての夏休み。そのことに、改めて気付かされた。

学童以外の日、娘が暇していて、お友達と遊びたいと言っても普段の交友関係もしらなければ、連絡のつくママさんもほんの数人しかいないため、途方に暮れてしまう。

もちろん、家族3人で遊びに行ったりもしているけど、この3年間、ほとんど地域社会との接点をつくってこなかったのは、私の本望ではない。

仕事や習い事、日々の生活など、ついつい目の前のことを言い訳に、本来自分が行きたい方向性である、いつか地域にほっとできる場づくりみたいな活動をしたいという方向に向けてやっておくことをすっかり先延ばしにして、置き去りにしてきたということ。


これじゃ、場づくりどころか、こちらが仕事だけやって、定年後に妻ならぬ夫に張りつく濡れ落ち葉族だわ。これが、情緒不安定の理由でもある。

悩みっていいな。自分がなにがしたいか方向性をさし示して教えてくれる。

まだまだたっぷり時間はある。


定年退職後のふんわりとした目標に向けて、少しづつ軌道修正していこうと思う。


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