1歳の運動会で先生を泣かせた「超」早生まれの娘が、3歳の運動会でママを号泣させた話(育児日記)
「うんどうかい、たのしみだな~!」
まだ残暑の厳しい9月頃から、保育園に通う3歳半の長女は10月の運動会を心待ちにしていました。
決して運動が得意な方ではない(と親は思っている)娘が、珍しいなと思いながら迎えた運動会当日。
ばっちり号泣させてもらったので、その日のことを書きたいと思います。
「超」早生まれの娘
我が家の長女は、3月が誕生日です。
一般的に1月~4月1日までに生まれた子供は同学年の中でも誕生日が後半組ということで早生まれと呼ばれますが、娘は本当に学年末スレスレの日付で生まれました。
保育園3年目で、一時預かりも含めて3つほど保育園に属しましたが、娘より後ろの誕生日の子は見たことがありません。
”「早生まれは特に幼少期、体格・体力・学力に差が出やすい」
「東大生の東大合格者は明らかに4月、5月、6月生まれが多い」
「幼いときに感じた劣等感が、その後に影響する可能性もある」”
そんなネット記事を見て、大きいお腹を抱えながら「予定日より少しだけ遅く生まれればいいのにな」と思ったこともありました。
(結果的に予定日より1日遅く生まれ、より年度末に近づきました…笑)
実際に、めちゃくちゃ「差」を感じた0-1歳代
娘が生まれて産院に入院しているとき。
病室の窓から桜を見て「娘と同学年の遅生まれの子達は、もう保育園に入園しているのか…」とぼんやりと不安に感じていました。
そんな彼らと、今まだ目も開いていない娘が、1年後に同じ教室で同じ学年になるということが信じられませんでした。
1年後、娘は保育園に入園。
最初の保育園は0歳クラスのない園だったため、1歳クラスに1歳数日で入園する娘はもちろん最年少でした。
「きゃ~!かわいい!”赤ちゃん”だね~!」
入園してすぐ、担任の先生に言われた言葉です。
運動発達がゆっくりだった娘は、当時歩くどころかまだハイハイもできず、ズリばいでした。
0歳代のいない保育園。1歳代もほとんどみんなが二足歩行できる状態で入園してくる中、まだ床をずりずりしている娘は相当”赤ちゃん”に見えたことでしょう。
悪気のない一言でしたが、入園式でほかの子が歩いて門をくぐる姿をみて、「大丈夫なのかな」と不安が増しました。
1歳の運動会で、先生を泣かせた娘
娘は弱視で、右目の視力が極端に悪いです。
今思えばその影響もあったのかもしれません。
とにかく歩き出すのが遅い子でした。
「運動会、間に合うのかな…」
9月の半ば、ようやく10歩ほどは歩けるようになった娘を一歳半検診に連れていったときにそんな焦りを感じました。
1歳クラスは、20メートルをひとりで走る「かけっこ」の競技がありました。
娘ひとりだけ、先生に抱っこされての参加になるのだろうか…
そして運動会当日。
15人ほどいたクラスで、娘は最後の組でかけっこに出場しました。
パパの待つゴールテープ付近に向かって、泣きながらスタートをきる娘。
途中までは先生に手を引かれながら。
でも途中からは、ひとりで歩くことができました。
『1歳児クラスは、生まれて初めての運動会。入園時には、まだ歩けない子もいて…ッ、みんな頑張って走れましたね!』
アナウンスをしてくれていた担任の先生が、突然涙声に。
『入園時まだ歩けない子』は娘しかいなかったので、「あ、娘を見て泣いてくれたんだな」と思いました。
運動会でみんなと一緒に参加できるように、と、夏ごろから懸命に歩行練習をさせてくれていたようです。本当に感謝です。
1歳代の運動会は、感動するというよりも、皆と一緒に参加できて「ホッとした」という感情でした。
そして運動会の後のクリスマス会や生活発表会などいくつか親が観に行く行事がありましたが、娘の登場は決まって「最終組」でした。
元保育士の実母いわく、「発表会は、最初の組が泣いたりしてコケると後の子も引っ張られちゃうんだよね。だから先頭は、基本的には”出来る子”に登場させがちなのよ」(※)。
※あくまでも実母の経験談です
そうか、やっぱり早生まれの娘は「最終組」なんだなと、少し諦めたような気持になりました。
そして思い出したのはネット記事のあの言葉。
”「幼いときに感じた劣等感が、その後に影響する可能性もある」…。”
あと数十時間遅く産んであげられたら、娘は4月生まれでした。
そうすれば保育園時代から「先頭」で、人生の良いスタートダッシュを切らせてあげることができたのだろうか…。
3歳の運動会で、ママを号泣させた娘
年少クラスになり、1-2歳代よりは周りとの差を感じることは少しずつ減ってきました。
しかし運動会の日が近づくにつれ思い出すのは、2年前に先頭グループが笑顔で20メートルを走りきる中、先生に途中まで手を引かれ泣きながら歩いていた「最終組」の娘の姿。
そして迎えた運動会当日。
引っ越しで2歳のときに現在の園に転園したのですが、2歳以下は運動会がない園だったので、2年ぶりの運動会でした。
『3歳児、入場』
先生のアナウンスのあと、20名がトラックを行進してきます。
なんと、その先頭にいたのは娘でした。
「…パパ!パパ!娘、一番前!!!!」
思わず隣にいたパパに叫んだ私の声は、もう泣いていました。
競技の前のただの入場なのに、もう泣いている親っておかしくない?と思いながら泣いていました。
パパも少し涙ぐんでいました。
ずっと「最終組」だった娘が、一番前にいる。
誰よりも腕を上げ、足を上げ、観客席を横切る際にはこちらに向かって手を振る余裕すらある。
子供の2年間の成長って、本当にすごいんだ…。
実はひとしきり泣いたあと、20名の列の並びを見て「あ、なんや、これ背の順やん」と気づいたのですが。笑
(娘はクラスで、一番身長が低い)
それでも、運動会が終わったあと担任の先生からは「もちろん背の順というのもありますが、〇〇ちゃん(娘)は本当に行進が上手で、皆を引っ張ってもらうために一番前を歩いてもらえました」と言ってもらい、再び涙が溢れたのでした。
早生まれの娘の可能性を狭めていたのは、私(ママ)かもしれない
1歳代で入園したときの不安が心に色濃く残っている私は、保育園で保護者会があるたび、いつしかこんなことを口走るよつになっていました。
「娘は3月末の生まれで、他のお子さん達に着いていけないこともあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします」
娘は「最終組」だから。
出来てなくても、当然だから。
足を引っ張ったときに迷惑をかけないようにフォローしないと。
そんな気持ちで、集団の中にいる娘を見ていました。
しかし、運動会をきっかけに私は娘の可能性に”冷静に”目を向けることができるようになった気がします。
確かに、身体は小さいし、月齢に伴って成長する身体機能はクラスで一番遅いかもしれない。
でも得意なことはたくさんあるし、「先頭」に立てることだってある。
”「幼いときに感じた劣等感が、その後に影響する可能性もある」”
これはもしかしたら、赤ちゃん時代に遅生まれの子との大きな「差」を感じた”親自身”の劣等感や不安の話なのかもしれません。
そして一番近くにいる親がいつまでも劣等感を感じていれば、当然その気持ちは子供にも伝わってしまうのでしょう。
娘の成長に合わせて、私のマインドもアップデートしていかねばと思いました。
まとめ
運動発達はゆっくりだった一方で、昔から口はめちゃくちゃ達者な娘。
3歳半をすぎ、最近休日はお昼寝はする日としない日があるのですが、しない日には「今日はお昼寝いいわあ。夜にゆっくり寝かせてもらうから」と大御所のような発言をする女子になりました。
もちろん子供によって発達は様々だし、月齢だけが発達に影響するわけではありません。
でもこの記事が、いままさに早生まれのお子さんに対して、どこかで不安や劣等感を抱いている方に届けばいいなと思っています。