修学旅行は不要不急?この半年間で様々な旅行が中止になりました。
そんな中で、特殊な位置づけにある修学旅行(教育旅行)について考えてみたいと思います。
修学旅行は他の多くの旅行と異なり”明確なタイムリミットがある”旅行です。
受験をはじめとした他の行事への影響を避けながら年度内に実施しなければならない制約があります。
今回のケースでは最終的に①そのまま実施、②内容の変更、③延期、④中止といった選択肢に分かれましたが、GoToの東京解禁に伴い、どんな形にせよ実施はする方向に流れができると考えられます。

*私の主観に基づいています。地域による事情の差がありますので、全てのケースに当てはまるものではありません。


1.現状

コロナの拡散フェーズにおいて、5月までと6月以降は大きく状況が変わったと感じます。5月までは病気そのものの脅威が強い時期でした。情報が十分に出そろっておらず、特に海外から発信される情報は人の動きを止めるに十分な威力がありました。実際に国内でも多数の方が亡くなられています。
一方で徐々に数字が出揃ってきた6月以降、検査での陽性者数は増えましたが、重篤者や死者は比例して増えることなく低い水準を保ちました。
教育旅行年代に関しては患者数、重篤者数はともに通常の生活を強度に制限するほどのものではなく、病気そのものの印象は大きく変わっていきました。

2.学校(先生)が修学旅行を実施するインセンティブ

学校(先生)にとって明確なインセンディブはないと思います。

しいて言うと、教育課程で重要な位置付けをされている修学旅行を実施することで責任を全うできるという点につきると感じます。
修学旅行はそこで学べる事から逆算して3年間ないし6年間のプログラムを組んでいますが、その役割は思っている以上に大きなものでした。
また多くの先生方が純粋に思い出作りの場として修学旅行に行かせてあげたいという思いを強く持っていることも印象的でした。
一方で修学旅行を実施しないインセンティブは単純にリスクがない点につきます。
少なくとも旅行が原因での発症者やクラスター化により責任がかかってくることはありません。
正直なところ、学校や先生にとって今年度の修学旅行は負うリスクと得られるものを比較した場合、中止が一番楽な選択肢だったと思います。しかし、その中で実施の可能性を探り実施できそうな形に整えた学校や先生のご尽力は素晴らしいと思います。

3.実際にとられた対応

実施まで時間の猶予があった場合①そのまま実施の選択肢を残している学校があります。また、早い段階で自治体単位での④中止を決めたところもありました。
ただほとんどの学校は②内容の変更、③延期で対応しました。なかなか難しい選択になったのではないかと感じます。結果的には危険度の高い地域(主に大都市部)を避け、移動距離を短くすることが現実的な対応として妥当なラインに収まったのではないでしょうか。

4.受け入れ施設に関して

少し話がそれますが、春先の修学旅行延期(中止)の際の施設側の対応について振り返っておきたいと思います。
今回、ほとんどの施設がキャンセルに際して特別な費用を請求していないと思います。
一般的にホテル・旅館、交通機関や食事の施設などは約款で取り消し料を明示していますが、今回のような大規模な団体の取り消しに関して別途設定をしていながら明示をしていないケースが多いと経験的に感じます。
今後も様々な外的要因で影響を受けることがあり得ます。このあたりの整備はとても重要だと感じます。
業界団体に関してもGoToを実施させられる程のロビー力があるのでしたら、この点にも(こそ)手を付けていただければいいなと思います。


5.結論

修学旅行は有要。教育課程の中では重要な意味を持っていることを再認識しました。
日程が重なってしまうのは仕方ありませんが、これからの修学旅行は集中しやすい場所を避けてより教育的な目的を重視した形に変わっていくのではないかと考えられます。


それでは、今日はこの辺で。



かつお

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