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『地下鉄に乗って』を読んで

この本を読んで自分が感じたことは2020年だからこそ感じたことだと思う。オリンピックは開催出来るかも分からないが来年に延期になりコロナに対する不安をもちつつ生活している今だからこそ感じたことできっと今でなければもっと違った感想を持っていたと思う。なにせ複雑過ぎる家族関係が一つの鍵になっている。

タイムリープする主人公

・タイムリープする作品だった。タイムリープの作品といえば「時をかける少女」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「バタフライエフェクト」とか好きな映画がたくさんある。ただこの「地下鉄に乗って」はそれらと大きく異なるところがある。本人の望まないタイムリープだ。主人公は、見たいと思っていない兄の亡くなる当日だったり、父親が生きた時代を行き来する。主人公の知らない父親やその時代の苦労を見て、何かが大きく変わるわけではなかった。けしてハッピーエンドではなかったがほんのり暖かさを感じることが出来た。

2020年と1964年

・1964年のオリンピックの時代が出てきて、今の世の中と比べて悲しくなった。多くの人がgo to キャンペーンの中止を政府のせいにして、政府は国民のせいにしてみんなが他人事に世の中を見ているように感じた。自分自身も世の中のこと日本のことを自分事として捉えて考えないとって感じた。
・前回のオリンピックの時代は勢いや華やかさがあったんだろうなって感じた。今は2020年、もう半世紀も前だけど小説を通じて半世紀前も前のことを想像できるのは素晴らしいことだと感じる。現状はコロナに振り回されている自分たちだけどどうにかしないといけないと感じる。

全体の感想

・懐かしく羨ましい気持ちになった。自分が生まれる前の時代は、不便で苦しくもあったが勢いがあったんだろうなと思う。そう思うのはきっと過ぎ去った時代のことだからだと思う。人間は過去の記憶を美化する。自分が生まれる前の事だから美化された記憶の話を聞いたらやっぱり羨ましく感じる。でもそれはきっと自分もこの先生きていたら、2020年のコロナによって振り回されている時代のことやこの人と会えない時間のことも苦しかったがそれでもいい時代だったって思えるようであったらなって思う。

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