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人事担当者の視点で給与明細から読み取ってほしいポイント②

それでは前回の続きからやっていきましょう。

もしも前回を見ていない方がいたら前回の内容から見ていただくことをおすすめします。

今回お話したいのは、↓です。

2.残業手当、休日手当、深夜残業手当

みなさんはそもそも、残業代ってどういう計算式で払われているか知っていますか?
法律上では分かりやすく言うと、

定時を超えてから働いた時間 × 皆さんの時給 × 125%

と定められています。これは全国共通です。ついでに休日に働いた場合は↑の式の割合が変わり135%で計算することになっています。
あともっと言うならば22時~5時の間で残業をした場合は150%で計算しています。

これを見て、色んな情報があることに気がついたでしょうか。そうです、皆さんの時給を逆算することができるのです。

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時給ってかなり大事な概念ですよね?
新社会人の方は特にそうだと思いますが、バイトの求人を見たらまず時給を見るはずです。でも正社員の求人では時給って書いてないですよね、それもそのはずで人によってつく手当つかない手当があり、同期の中でも時給換算が異なるためです。
しかし、給与明細に書いてある残業時間及び残業手当からあなたの時給を確認できるので、是非チェックしてみてください。
それを見て、高いと思うのか低いと思うのかはあなた次第ですが、不満があるのであれば転職もありかとは思います(今より時給換算で高くなるかは別として)。

実際よくよく見てみると学生のバイト時代のほうが高かったりすることもままにありますよね。

でも、それが日本の社会の現実なんです。

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日本の法律では都道府県ごとに「最低賃金」というものが設定されていて、事業主(会社のことです)はこれ以下の待遇で社員をこき使わなければ何の問題もありません。

もし「納得いかない」「こんなのおかしい」と思う方がいればぜひ国会議員に立候補してください。私はとりあえず一票は入れますので。


まあそういった不満を感じるってこともあるかと思いますが、ポジティブな考え方をするとしたら、自分の時給を把握するってことは労働生産性の向上に直結しますよね。

もし自分の時給を上げたいと思ったら、①今の会社で実績を残して昇給・昇格をする。②スキルを身に着けて別の会社に転職をする。

の2択しかないわけで、皆さんはどちらを選ぶでしょうか。


もう一つ、私の立場から皆様に感じてもらいたいことは、

残業手当は間違いなく支払われていますか?

っていうことなんですよ。もし誤った金額が支払われていたら可能性は2つです。

① 会社の給与担当者が計算ミスをした。

まあこれはありえなくはない話です。特に小さな中小企業では。

大企業ですと大体はミスが怒らないように出勤簿の情報が自動的に給与計算までいくようプログラム化されているので。それでもやっぱり稀に不具合は起こります。また、中小企業では手動で勤怠管理をやっているところも少なくないと思うのでありえますよ。

そういったときに皆さんには、給与担当者に確認をしてほしいんです。

翌月に修正するならまだしも何ヶ月、何年も経ってからというのはかなり難易度が高くなりますし、勘違いだったら勘違いでそれでいいんです。双方の理解も深まりますので。みなさんの大切なお金なので、確認しないだけ損ですよ。


② 社員側が適切に申請をしていない。

私が今日特にお話をしたかったのはここです。

皆さんは適切に残業申請をしていますか?

「まあ、これくらいいっか」とか、過小に申告をしていませんか?

該当する方がいたらマジでやめてください。

人によっては「いや、上司から止められてるし……」とか言う人もいるかもしれませんが、そんな考え方は捨ててください。

皆さんはバイトしていたとき「申し訳ないから今日は出勤してなかったことにしよう……」みたいなこと思いましたか? 思わないはずです。なぜなら「申請をしない限りお金が出ないから」ですよね?

正社員として勤務している今も申請しなければ手当は出ませんよ?

そもそもですが、


社員に残業させなければならない事業計画を立てている会社が悪いんです。皆さんが悪いことなんて1ミリもありません


もしも違った価値観をお持ちの方がいたら変えることをおすすめします。

また、人事担当者の目線から言うと、あとから遡っての処理というのが非常に大変なんです。

仮に会社に労働基準監督署の査察が入って、残業手当の根拠資料を洗いざらい見られ、過去数年分の残業時間を洗い直せなんて言われた日には鬱一歩手前ですよ。

ということで、会社も人事も皆様も不幸になるメンタリティはやめましょう。


もしも、やばい会社の場合は、残業の記録(メモとか、PCのログとか客観的なもの)をとって最寄の労働基準監督署までGO!


次回に続きます。

 

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