「ジョーイ あるイギリス人脳性麻痺者の記憶」について

最近、脳性麻痺のかたの自伝のような本を続けて読んでいるけど、このジョーイさんはイギリスの人。発声が困難でほとんど理解してくれる人がいなかったけど、同じ脳性麻痺で出会った友人が彼の発語を理解してくれて、そこで一気に世界の幅が広がったそう。この本も、そうした彼の発語をその友人アーニーが解し、2人の仲間も含め、知的障害の程度も様々な4人のグループで文字化して、少しずつ少しずつ作成して完成させたそうだ。「実際こんなことまでできるんだ!!」という希望を感じたし、発語の理解という壁があっただけで、こんなにも彼の感じていた世界の広がりがあったなんてと驚かされた。
最初は「本当にそれが彼が言っていること??」とみんなにわかに信じられなかっただろうな…「クリスマスに自宅に帰りたいと言っている」っていうのが伝えられ、実際ジョーイさん大喜びだったのが「本当に理解しているんだ」と理解されたきっかけだったそう。それがこういう本に繋がっていくのが本当にすごく、素晴らしかった。
中身に関して、友人たち・家族たちとの繋がりが彼にとってとても大きく、嬉しいことが感じられた。みんながみんなそうかは分からないけど、「あなたのことを気にしていますよ、快く思っていますよ」という人は多いにこしたことはない(どの程度接触があるのがいいかというのは人によりそうだけど)と思う。

そしてこの本は、元中学校教員のかたが、津久井やまゆり園の事件にショックを受け、原著を探してきて一念発起翻訳されて出版されたそうだ。翻訳の取組みも本当にありがとうございます。

Youtubeで、「The Joey Deacon Story」と検索して出てくる動画もあとでチェックしよう。4人の実際の執筆の様子などがわかるそうだ。



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