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【政策参与のおはなし(その7)】ちっちゃな自治体で恐る恐るDXを始めた町役場の取り組み(2021年9月19日 Code for Japan Summit 2021セッション)

これは何?

政策参与として登壇したCode for Japan Summit 2021のセッションの文字起こしです。YouTube動画(字幕付き)もご覧いただけます。

セッションは、福島県西会津町のCDO(最高デジタル責任者)の藤井さん(やすしくん)との対談ということなので、必ずしも「政策参与」だけのおはなしではありませんが、シリーズとしてここにも掲載するものです。

セッションスタート

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(ひがし:以下、呼び合っている「けんちゃん」にします)
このセッションのタイトルは「ちっちゃな自治体でおそるおそるDXを始めた町役場の取り組み」ということで、私、東と藤井さん2人でやっていくセッションです。

グラレコもついていて今、別のモニターで見てて、あら、かわいらしい。

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(ふじい:同様に「やすしくん」にします)
おっさん2人なんですけどね。

(けんちゃん)
かわいらしいなあという感じになってますので、そちらもご覧ください。

けんちゃんとやすしくんでお届けします。

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(けんちゃん)
グラレコを見てこっち出すとあれってあれなんすけど、これ我々2人ですね。

(やすしくん)
そうすね。

(けんちゃん)
いつも「けんちゃん」と「やすしくん」って呼んでます。これを見たある人は「いらすとや、ずるい」って言ってまして。

左が私なんです。

(やすしくん)
そうっすね。

(けんちゃん)
右側がやすしくんなんですけど、「一緒やん」みたいな。これ一緒でしょ、やすしくん、髪型以外。いらすとやでは、ちなみに「メガネ・坊主・JPEG」みたいなそういうファイル名なんですけど、坊主ではない髪型にしたら多分これやすしくんになりそうっすね。

(やすしくん)
確かに、確かに欲しいっす、いつもずるいなって思って。
※これを聞いた「たっくん(本編でも登場する北海道森町の山形さん)」から画像が後日送られてきました。

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そう今日ね、うちの子があのけんちゃんの絵を見て「凄い、いらすとやさんに作ってもらったんだあ」って。そうですねそこちょっと目指したいですしね。

(けんちゃん)
私なんかは最近メガネもこのイラストに合わせましたし、美容院では、これを見せて、「これでお願いします」「わかったバリカンの何ミリね」みたいな感じでやっていただいてですね、息子もですね、「これに似てるやろ」って言ったら「うん」って。

そんないらすとやでこの50分使うわけにはいかないのでいきましょう。

(やすしくん)
うんいきましょうか。

いつものクラハでの話をここでやります

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(けんちゃん)
何のセッションかっていうと、「いつもここにいます」ということで、平日の朝のですねクラブハウス皆さんもご利用いただいてますかね、今日は参加いただいてないんですけど、我々言うとこの「たっくん」ですね。

(やすしくん)
うん、北海道森町山形さん。

(けんちゃん)
が、もう1年近くなるのかな。

(やすしくん)
うんそうですね。うん、冬から始まっちゃたからあれですけど、もうちょいじゃないすか1年。

(けんちゃん)
今まではね、車とかで通勤してたらしいんですけど、クラブハウス始まって徒歩通勤するということで、というのは歩かないと、やっぱりまちの様子はわからないね。

(やすしくん)
そうですね。

(けんちゃん)
うん今まで5分ぐらいで行っていたのを20分歩くっていうことをですね、この7時40分から8時1分と8時2分ぐらいに役場についていつも終わるんですけど。

ただ、歩いてるところにみんな集まって、ここにちょっと書いてますけど小学生の集団通学・・・

(やすしくん)
うん。

(けんちゃん)
感じで、みんなね。関さんはたしか朝ランニングしながら・・・

(やすしくん)
そうっすね。関さんは走りながらですね。

(けんちゃん)
あと他の方もお子さん保育所に連れていくときに車の中から参加して、そのお子さんが「たっくん」のこと「ひゃっくん、ひゃっくん」って。

(やすしくん)
そうっすね。

(けんちゃん)
そうやってもう何ヶ月間かずっと歩いてると、森町の人たちも歩いている男がわめきながら歩いてる。ちょっとした風物詩になっているみたいなことなんですけど、ここでいろんな話をしている延長線上でCode for Japan Summitでもやると。クラブハウスは招待制なので皆さん聞けないし、朝早いじゃんとかありますよね、寝起きで参加いただく人、某何々さん・・・

(やすしくん)
いますね。猟奇的な話をしたいっていっつも言ってますね。

(けんちゃん)
北は北海道から南は熊本まで。いろんな話してます。それで、もしよろしければ、今日の続きも話せるかもしれませんよね。

参与と先生としてやっています

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(けんちゃん)
それで、今日は「小さい町役場で」ってなってますが、先ほど、司会の方からご紹介いただいた通り、私は滋賀県日野町で背景をちょっとそれっぽいやつをちょっとやってますが、滋賀県の日野町というところで仕事をしています。

一方でやすしくんは、さっきのセッションを私も見てましたけど、福島の西会津の方で仕事をしていて、別の仕事っていうかCode for Japanの仕事で、やすしくんと打ち合わせしていたら役場の人が「先生、先生」って言ってますね。先生なんですね。

(やすしくん)
そうそう、そうです。もうなんか愛称みたいなもんです。

(けんちゃん)
役場でもCDOって呼ばないんですね。

(やすしくん)
そうですね。呼びづらいですよね。確かにCDOは呼びにくいんですよ。

(けんちゃん)
私もCDO的なポジションで、この4月からやってるんですけど、一応肩書きは政策参与、いわゆる地方公務員法上の参与とか顧問とかですね、そういった職が規定されていると思いますけど、それでいうところの参与なので、普段は「参与」って呼ばれてます。なので、今日はけんちゃんとやすしくんですけれど。こういう参与と先生と呼ばれている人たちでお届けするものです。

持ちネタ

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今日の持ちネタは、それぞれ参与の話なり先生のお話、今こちらのご覧いただいている、私であればnoteですし、やすしくんはこれスマートシティインスティチュートジャパンさんの、そういえば一番登壇していますかね。

(やすしくん)
そうですね、南雲さん「困ったら藤井」みたいなのはあるでしょうね。繋ぎ的立ち位置もあるので、結構出てるんすけど、持ちネタとしてはこれそうですね。

(けんちゃん)
「小さな町のデジタル戦略が面白い」。これすごくいいですよね。

皆さんもぜひご覧いただいたらと思います。政策参与のおはなし、記事が「6本」ってありますけど、さっき更新しました。一個。

(やすしくん)
ちょっと見とかないとですね。

ペーパーレスを考える

(けんちゃん)
この先週ですね、議会改革特別委員会で今、議会SDGsという言い方でいわゆるペーパーレスから始めようなことをずっと議論をされていて、「参与ちょっと聞きたいことあんねん」とお呼ばれしたときの話を出しています。

ペーパーレスじゃなくて、その奥にあることを一緒に考えましょうというやりとりをしたんですけど、議員の皆さんとお話していて、そのタブレットにするのは誰も反対してないんですよ。

それによって何か取りこぼれてるような「自分ではうまく言えへんねんけど、なんかちょっとなんかモヤっとする」っていうことを皆さんでそれを話ししようっていうので、すごくいい話ができたなっていう。

そういった意味だと西会津町の方では、やすしくんのデジタル戦略。

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広報にしあいづ 2021年6月号

(やすしくん)
これね、そうですね。はい町で出してデジタル戦略ですね。こういった形でですね、広報紙でだだっと全部こうね、あの一面使ってやってもらったって感じではあります。

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これだけじゃなくてケーブルテレビとかも。例えばこないだのCode for Japanさんと連携協定をしたりとか、ケーブルテレビで自分が出て、シビたんの動画とか流してシビックテックってこういうことですよみたいなことを話したりとかという感じで結構いろんな方面からこういったことをお伝えする。

これ紙は結構重要なんですよね、っていうのがやっぱりあって。本当、我々も高齢化率50%の町なので、一言にペーパーレスって言ってもですね、やっぱりあの伝わるのが、紙だったりとかしますのでここは結構そうですね。全部をなくすっていうよりは本当適材適所でやっていくっていうのが基本路線になっていくかなと思いますね。

(けんちゃん)
結構こういう点重要ですね。日野町でも、当然広報紙あるんですけど、結構充実していてそれはなんでですかって、ちょうどたまたま議会でペーパーレスの話があったので、役場の人たちと話していたら、昔はなんかなんでもかんでも町内会・自治会の区長さんに渡して配ってくださいみたいなのをすごくやっていました。だから、もともとそういう情報提供なり共有なりをするっていう姿勢があった中で、でもなんぼなんでも、なんかやたらめったらするから、量がすごくて。何か手でやってましたけど。こんなになるんだ。

(やすしくん)
そうですね。

(けんちゃん)
それでしんどいから、広報紙に集約してすごく力を入れてやってるので、やっぱりみんなそれを見るって、おっしゃってましたし、今は著作権があるので、うつさないんですけどなんていうかミニコミ誌と言えばいいか、新聞みたいなもの、タウン誌みたいなのもあって、日野町の場合ヒノメイトさんというものがあるんです。

町長が昨年7月に変わったんですけど、それ以降、記者会見をするようになったりしてるんですけど、

そこでしっかり取材をいただいて、記者会見の内容はまずはYouTubeで動画流してるけどYouTubeで動画をさくっと見る人はそれでもいいんですけどじっくり記事にしていただいて、みんな多分見ていただいてること、「あれ見たよ」ってのはすごいわかるんですよね。

そういう距離感みたいなのがあって、紙をしっかり使って、しっかり記事にするっていうのは大切だなって。

なんでこれちょうど聞いた連携協定を結んだときに、あの広報紙、何部かもらって役場に持って帰ったんですよね。

(やすしくん)
そうですね。泊まった温泉に置いてあったっていう。

(けんちゃん)
そういうとこね、これこれだよなって。

「読んでもらう」から「会いに行く」

(やすしくん)
そうですね。やっぱり紙も読んでもらえるかっていうところもやっぱりあって。その先のやっぱりこう、なんて言うのかな、本当に会って話するみたいなのもすごい大事なんで、これプラスよろず相談室っていう形で
なんていてこう入ってくるあの方々と、もういろいろ雑談をするみたいなこともやってますね。

【デジタルよろず相談開催中!】 今週(~5月21日) 試行的に 西会津町役場・1F・町民ホールにて 10:00〜17:00 で...

Posted by 西会津のある暮らし相談室 on Wednesday, May 19, 2021

なので、どっちかと言うと、最初そうなんすよ。CDOになって町長からも「結構わかりやすいやつやって」っていうのがやっぱあったんすよ。それこそAI使えますとか、わかりやすいやつで、っていうのもあって。

そんときにちょっと役場の中でも話したんですけど。わかりやすいやつもあってもいいんですけど、本当やるべきことのまず最初は、やっぱり出張っていく。アウトリーチとか、いろいろ言いますけど、集落にこう回ってって、何でもいいですけどスマホ講座とかタブレット教室とかやってですね。

実際にやる方と喋ってですね。なるほどというところの情報をこっちも仕入れないとなかなか施策に反映できないなと思うし、住民の方もやっぱり顔が見えてるとか会ったことがあるとかという方が多分ものすごい安心すると思うので。

なので、コロナ禍があって、なかなかこう頻繁に行けなかったんですけど、今は段々と行けるようになってきているので、ちょっと回りながらやってますね。結構面白いんすけど、こないだ平均年齢85歳のタブレット教室っていう方ですねあの91歳の方もいらっしゃって、結構盛り上がったんすね。皆さん楽しんでやってくれて、若宮さんのプログラミングの話とかが入ってたんですけど、若宮さんの方が年下っていう…あの方は若いもんねみたいな結果になってたりとかして盛り上がったし、その後よろず相談こられて、実は、帰ってからは、息子・娘に話したらiPad買ってくれて、これもっとやりたいからちょっと毎週習いに来るねっていう形で来てくれるおばあちゃんがいらっしゃったりとかですね。

何ていうのかな、最初何か想定してたというか、うんなかなか難しいんだろうなとか、いろいろ思ったんですけど。結構反応がいいなっていうのがあってですね。なので、こういうふうにやっぱり人づてで伝わったって、デジタル戦略も紙で配布してるんですけど、こういう感じでこうなんて直接会うからというところでの、あの相乗効果というか、何かそこまでやっぱ必要だなというのは最近感じてるところでありますね。

(けんちゃん)
私も結局コロナで一部中止になってしまいましたけど、地区別の懇談会、日野町でいうと行政懇談会ですけど、各集落の区長さん達と膝詰めで要望いただくみたいな場合ですけどね。ここの道路がどうだったかね、草刈りをしてほしいとか。役場からも皆さんでこうしていただきたいっていうことを、やりとりする場でもあるんですけど、私もちょっとびっくりしたって言ったら、失礼な言い方なのかもしれないですけれども、すごく議論するんですよね。

集落の維持ってすごい大変で、皆さんもすごく苦労されて、それを文句を言うんじゃなくて、「これやらなきゃいけないのはわかってます」とも「続けられる続けるようにするためにどうしたらいいか」っていうことを問題提起っていう形で意思で考えましょうっていう方々が、多くて。

さっきのやすしくんの話は一人一人の町民さんの向き合い方もそうだと思うんですけど、やっぱそのコミュニティとしても、その何かを待っているということですね。それがデジタルなのか何なのかは、あるのかもしれませんけど。

その一つとして、そういうデジタル的なもの、より便利にしていったりとか、より良くしていくようなものを何か皆さん待ってるんだなと。それが上手く言葉にできないので実現してない、ほぼ、何かさっきのやすしくんの前のセッションでもDecidimのことも、紹介されると、そうしたものを知ると、あの何か取り組みが加速するということですね。

そういったぎりぎりのところでアイドリングでブレーキがグーッとなって、何かトリガーでちょっとなるというようなことになる。それを他力でやるんじゃなくて、せなあかんということだと思ってるんですけどうん、何かそういったターニングポイントに来てるんだろうなって。

参与とか先生の役割

(けんちゃん)
だからこういう参与なり先生という立場の人が必要なんだろうなっていうのは、こうなる前から思ってたことですけど、現場に入ってみると、やっぱり目の前に町民さん、職員さんと向き合ってるとなんかそういうのをひしひしと、今ならそうしなきゃいけないよって言わなくてもですね、皆さんがたそういうふうに感じてるってのはすごい思いますね。

(やすしくん)
そうですね。その辺はすごいありまして、CDOっていう立ち位置を何にするかみたいなとかって、いろんなCDOの方いらっしゃるしいろんな方針があるんですけど、自分の中ではそういう意味ではそこを繋げていくことかなと思う。

では、何か大きな流れがありますよね。デジタルの中でっていうか、いろんなツールとかある中で大きな流れがあっていて、いざ地域に入ってみると、そのデジタルの中に流れてるものと現実ってものすごい乖離があってですね、繋がってないっていう。

例えばよろず相談で来られた方が、散髪というか美容院の予約の仕組み、システムも作りたいっていう話だったんですけど聞いてみると、いわゆるGoogleカレンダーで共有できますよねみたいな、そんな感じではあったりしますね。

だから「こういうのが出てきますよね」みたいなところなんですけど、そこってやっぱり繋がってなくて、何か現場というか、地域でいうと何かやろうとすると、本当にもう大規模なシステム開発みたいな、あの、デジタルというと、何かそういうイメージがあってなので、あんまり自分とは関係ないなとか、何かそういうところがあるんですけど、なんか現場で流れてるとこをリンクしていくと、何か皆さんだんだん自分で見つけられていくというか、繋がっていくみたいないう感じになるなと思っていて。

理想的な形でいうと、何かCDOの立ち位置が本当消えていくというか、みんな普通にもうその流れの中などいろいろリンクができるようになっているのでいらなくなっていくみたいなのが、必要なところかなあという感じで今この仕事をしてるかなと思いますね。

(やすしくん)
なんであのあれっすよ、「政策参与のおはなし」、すごい助かるんですよその現場のノウハウなんで。

今、会津13市町村のいろんな自治体さんとも一緒にやってますけど、「こういうことで困ってます」ってなったときに、参与のお話のリンクをペタペタ貼って送るみたいなっていうので繋がるじゃないすか。

困ってることと、困ってて解決したってことがリンクされてなるほどなるほどという感じで、これってこういう技術がなかったときはこれどうやってたんだろうみたいなことが瞬時に解決されるというか、ノウハウが共有されるっていう状態にあるので、これを繋げられるかどうかみたいなところがまずは求められてるかなって感じがするのでそうですね。

参与の話、だいぶ助かってますね。

(けんちゃん)
そうですか。

(やすしくん)
そう。

デジタルじゃないことが大事、では大事なことは何か

(けんちゃん)
日野町の場合はいわゆるデジタル戦略みたいなのはないんですよね。ないんだけど、私は別にそれは困っていない。それはちょうどこの4月からは総合計画を作ったので、これだよねって。

それ、デジタルていうのをあえて言うかどうか。デジタル系もそういった形で相談を受けるので、それはいいんですけど、結局これにどれだけ結びついてるかっていうのを問い直すというか、そういうスタンスでやって詰めていけば、きっとデジタル戦略になるんだっていうふうに思ってます。

結局何でしょう、参与って相談されたら答えるんみたいな話なので、相談されることがどれだけかっていうのが重要なんですよね。

あと、聞かれたことだけ答えるだけだとつまらないというか、それは実は良い問題意識なんだよっていうことこっちから何か教えて・・・教えるというとちょっと上から目線なので、職員さんさっきの町民さんの話と一緒で町民さんも結構肌感覚として気がついてるけど言葉にできないものを一緒に言葉にしようみたいなことはやっていて、皆さんそのときにおっしゃるのが、人材育成だったりとか、日野町の場合は230人の職員さんなんですけど、その体制をどうやってやっていくかみたいなことがすごく問題になっていて、では研修的なものもしないといけないし、業務の中で教え合うだったりとか。

ベテランさんはすごくノウハウがお持ちなんですね。けど、それをどうやって継承していくか、デジタルをどう進めるかというか、むしろそっちの根本で。

(やすしくん)
そうですね。まさにそうですね。

(けんちゃん)
ナレッジなり、町役場ってすごいし、日野町、西会津もそうですけど、エリアとした広いんだけど、そこでのネットワークはすごい密で。「何とかさん」って言ったら、「どこどこの何とかさんね」っていう会話が飛び交ってて、私は地名はようやくわかってきたんですけど、何とかさんっていうレベルで会話をするっていうリアリティーを持って話をしてるんですね。

それぐらいのネットワークを持ってる人たちが強みだと思うんですけど、それをどう維持できるかっていうのが広くは多分組織の問題になってて、仮にデジタルでうまく解決することがあるとすれば取り組みたいけども、やっぱり本質はそっちのデジタルじゃない方。

(やすしくん)
そうですね。いや本当そうだと思いますね。

我々も例えばさっきのよろず相談で外に出るみたいのありますけど、これっていうのはどっちかっていうと年齢層高めの皆さんと、きっかけを作っていくっていう活動なんですけど、これなんかデジタルを使ってもらうってことは特に目的ではないというか、知ってもらうのとあとこちらが何かやるときにそもそもそこの情報を得てないとできないのでそういうこところで接点を持つっていうのがあるんです。

やんないといけないなと思ってるのは、圧倒的にその若者というか中学生とか高校生とか地域に住んでいる若者に対して、ほぼ接点というかリンクがないっていうのが、日本全体どの地域もそうだと思うんですけど、結構深刻だなあっていうふうには思ってまして、デジタルの得意なところとしてはそこは得意だったり、西会津にはケーブルテレビもあるんですけど、若者はCATVどころかテレビ持ってないし、うちもテレビないですけど、ていうふうに
だいぶ情報伝達手段は変わってきてる中で、若者世代にどう情報を伝えるかっていうのをどう一緒にできるか。

こっちで勝手にやるというよりは、もっと聞きながら一緒にやっていくみたいなことが結構面白いかなとは思ってまして。

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我々もねあのデジタルが目的というよりも、まちづくり基本条例っていうのがだいぶ前に町で制定されたものがありまして、そのビジョンをどう実現するかってとこですね。基本原則があるんで、あとこれを実現するためにテクノロジーを使っていこうっていう視点ですね。本当にデジタルを使うことが目的ではないんですけど、この若者に、どう一緒にやってくのかっていうのは結構有効なツールになり得るなと思ってはいますね。

(けんちゃん)
西会津は、中学はもちろんありますけど高校もありますね。

(やすしくん)
はい、ありますね。

(けんちゃん)
日野町も県立の高校があって、ともすれば大学進学時に流出するみたいな話でだから大学誘致みたいなこというんじゃなくて、高校があるってすごいアドバンテージだなって感じるんです。

日野町で聞いて「ああ、なるほどな」と思う日野町、歴史が豊かななので、その日野のまちがどうやって今まで歩んできたかみたいなことを中学のときから総合的学習の時間でずっとやっていると。

で、高校に上がったときに、日野町にある高校ですが、他の町からも通ってくるんですけど、自分の生まれ育ったところいいとこみたいなことを発表すると、日野中学校出身の、生徒はものすごいアウトプットが出てくるって高校の先生が言ってて。

そういうのってすごく長期間にわたって効いてくるなと。

もちろん高校卒業したら地元を離れていくかもしれないんだけど、最近戻ってくるような動きも全国的にもでている。数としては少ないかもしれないけど、そういったことを思う人たちが増えるきっかけを多分中学のときから、
これは10年ぐらいやってるのかな、やってるっての多分将来的に効いてくる。

そういった考え方って、近江商人、近江日野商人の故郷なんですけど、将来に向かってきっちり投資をしていくとかそういったことが出ているように思います。

やっぱりそういうのはすごい大切にしたいってのはすごい思います。何かデジタルを使うかどうかは別にしても、そういう町の特性をうまく生かして、若者に対してどうやるかみたいなことも何か大切な気がしてますね。

いつでも蒲生氏郷(=未来の礎、いしずえ)になれる

(やすしくん)
そうですね。ちょうどね、会津と日野は蒲生氏郷繋がりということで。

(けんちゃん)
そうなんです。会津若松の若松は、実は日野町にある若松に由来するそうです。

(やすしくん)
しかもね、こないだの西会津来てもらったとき氏郷の有名なあの肖像画っていうのは西会津で所蔵しているという。

(けんちゃん)
そういうところで、名刺に「滋賀県蒲生郡」と書いてると、途中で磐梯町とかいろんなとこ連れて行ってもらったときに、その「蒲生」でね。

(やすしくん)
そうそうみんなそうですよね。伝統あって、結構ね、この歴史がある。

若者、いつでも何か蒲生氏郷になれるわけじゃないすか。

これからっていう意味、未来を作っていくっていう意味で言うと、今いろんな若い世代とかにふれるとすごく未来は明るいなって思うことが多くて。

そういう意味では、何かこういう形で脈々とつらなっている歴史みたいなところっていうのをちゃんと伝えつつ、彼らの力が本領発揮できるというかどういうふうにこうね、この小さい自治体ではあるんですけど、そこをどう町としてこうなってバックアップしてあげるかというか。足を引っ張らないようにするとか、何かいろいろあると思うんです。

ていうのが、今どんどん外に出ちゃってるっていうのはどこの町も同じ状態だとは思うんですけど、「町に残ってください!」っていうよりは、すごいいろんな接点があっていろんなことが学べて、いう形で、外に出てみてわが町は良かったなってその中からいろいろ町のために何かしようかみたいなことが思える人が出てきたりとか、なんかそういう形でフォローできると一番いいなと思っております。

素晴らしきわがまち

(けんちゃん)
私もこういう蒲生繋がりがあって西会津面白いなと思います。

今、日野町で知ってますよね参与定食(笑)。

参与定食ありますので、そうそう個人名言ってもいいかどうかあれですが、澤さんが食べに来たって。

(やすしくん)
すごいですね。

(けんちゃん)
「食べに来ました」って連絡があった。うん、海がないのになぜか刺身が770円で食べれる、ちょっと恐ろしい定食が、別に参与だから出るとかじゃなくてですね、日替わり定食が5種類ぐらいあるんですけどナンバーワンコンテンツとしてお魚の定食が売り切れちゃうんですけど。

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お店のマスターが釣りが好きなので釣ってくるという恐ろしいあのキラーコンテンツを持ってますし、これを見てお越しいただければ、参与定食ごちそうしますし(笑)。

(やすしくん)
西会津もそうですね。

(けんちゃん)
こんな感じですごいですよね。

(やすしくん)
本当にまあ、すごい素晴らしいなと思ってですね、日本の田舎は最高だということで、寒いすけどね。冬は寒いんですけど、よく言ってるんですけど、なんか人間力が回復できるっていうふうには言ってます。寒暖差激しかったりとかいろいろあるんですけど。

あと国際芸術村っていうアートに特化したところもあってですね、そういう意味で身体性というか体から生み出るものみたいなものとかっていうのがすごい大事にされてるかなっていうところがあってですね、今までの観光って何かね観光名所があってみたいな感じだと思うんすけど、西会津はどっちかというと何か自分自身との対話みたいだとか、何かこう、生きる力の回復とか、なんかそっちだろうなとは思ってますね。

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(けんちゃん)
確かに私も京都に住んでいて、やすしくんも京都生まれですけど、京都に住んでると、東京とは違う時間の流れ方って言われますよね。こういう日野町もそうですし、なんなんでしょう。山とかなのかな。

(やすしくん)
山はすごい近い。そうなんすよね。

小さな町のDXだからこそ

(けんちゃん)
そういう中で営みが続いていって、行政だけに限って言えば同じ仕組みをどう動かすかみたいな感じで皆さんやっていて、それをどうしますかって言うのがDXって考えがちですけど、活かすべきはこういったものですね、と思いますね。

それを画一的なものとして、どうにか効率化せなあかんとかはもうむしろ、違っていて、こういったものを残していかないとですね、きっと良くないと思いますよね。

(やすしくん)
そうっすね。なんかこう、
どのタイミングが何か、普通だったのかってなんかだんだんわからなくなってきてて、いわゆる高度経済成長期のなんか絶好調だった時代が普通なのかっていうと多分そうでもなかったりするじゃないすか。

その前は出稼ぎとかなんとかっていきながら東北だと特にそうですけど、そういう形で1年を過ごしてきたっていうようなリズムあったりとか、という意味で、年代年代によって何か生き方みたいなものはすごく違って、じゃあ何を守っていくのか何が普通の状態で地域を守っていくのかみたいなところはあるなと思うんですけど。

そういう意味では地域に残ってるものっていうのはそういういろんなことがあったにもかかわらず、何か残ってきたものみたいなものがあって、それはやっぱりすごい価値だなっていうふうに思いますし。これってデジタルで急に現れたテクノロジーによって、何かこう、それが変わっちゃうてことはまずまずなくて、どっちかと言うとそれを守るためにどういろんなツール、デジタルだけじゃなくて、をどう使っていくのかみたいなところはなんかすごい面白いところだなと思いますね。

(けんちゃん)
あと残りが10分ですね。まったりしてるので、コメント見ていきましょうか。

日野町行ってみたい西会津町も行ってみたい

って出ました。

(やすしくん)
はいありがとうございます。

(けんちゃん)
はい、ぜひ。

(やすしくん)
そうですね。グラレコの人が楽できるセッションしようぜって言って始まったんですけどね。

(けんちゃん)
何を埋めればいいんですかって。

(やすしくん)
そうですね。これまでのどのセッションはすごい中身濃かったですからね。ちょっとクールダウンということですね。

(けんちゃん)
そうですね。

(やすしくん)
そういう意味では何か何かこういうマッタリした感じで、仕事できてて羨ましいなみたいな。

(けんちゃん)
とは言ってもね役場忙しいですよね。

(やすしくん)
役場は忙しいです、もう忙しい。仕事、1人何役もやってて、そうですね。小さな自治体だと特にそうですよね、皆さんマルチでやんないといけないからね。

(けんちゃん)
っていうのと、西会津もそうだと思いますけど、日野町でも「ワーッ」て言ったらみんなに伝わるので。

立ち話で話を話を付けるっつったら変なんですけど、びっくりしたのは管理職会議、管理職35人ぐらいしかいないので、みんなテーブル入るんですよね。議会の答弁調整とか諸連絡もそこですると、よその課の人がよその課のことをワイワイ言ったりするんです。

もちろん「自分がやったときは・・・」とか、さっき言った「どこそこの誰それさん」みたいな話みたいなんですよね。「私住んでるところやわ」とか、そういう話もあるので、そういったことをすごく熱心に議論するので、私もそこに入って聞いてるとこういうのがあると。

さっき人が足りないってのは確かにディスアドバンテージのかもしれませんが、こういう凝縮した形でしたらいいなとかですね。もちろん管理職だけで議論してるので、一般職員の方たちもどうしたらいいかってのも、彼ら、手元の仕事で忙しいので、議論したいっていうのはすごく持ってて。

また連休明けには私も、総務部門と企画部門の人たち、私が直接お世話になっている部門ですんですけど、彼らが「参与、ディスカッションしましょう」っつって。

最初1時間ぐらいかなと思ってたんです。今度2回目なんですけど、1回目はこってりなんか3時間近く、こってり議論して、これすごいなと。皆さん他の仕事も抱えてる、でも、何か変えないといけないっていうふうに、もう既に感じて、すごいことだなって。

こういうことは、どっちかっていうと、我々みたいな人間が発見してるだけで、彼らにとって当たり前なのかも知れない。じゃあ、そういうのをもっと
活発にできるようにしたい。

(やすしくん)
そうですね。うん、そうですね。ここは大きく変わるところなのかなあというのはすごい感じますよね。だから今いろいろ一緒に勉強させてもらって役場の方々も結構なと試行錯誤で。

あと、すごいもう勉強されてるというか、いろいろこうね、いろんなことがある中で、それをキャッチアップしながら進められているなというふうには思うので。

(けんちゃん)

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うん、西会津は役場の佐藤さんがね、戦略を書いたって。

(やすしくん)
そうっすね。やっぱり行政の職員の方々って地域にとってすごく優秀な人材で。

(けんちゃん)
そうですね。

(やすしくん)
ここはやっぱりちゃんと活かせないと損すよねみたいなのはすごい感じますね。ここが、ちゃんと歯車が、歯車って言ったらあれですけど何か噛み合ってくるとなんかいいなあっていうのはすごい思いますね。

(けんちゃん)
・・・楽じゃないとグラフィッカーさんが・・・。すみません、まったりと言っていたのに忙しくなっちゃった。どこに向かってるんだろうって感じに。

「恐る恐る」DXを始めたとは

(けんちゃん)
締めに向かっていくというほどではないんですけど。Cテレの中で、「恐る恐るって何よ」って、言われてたんですけど。

これ、なんていうんですかね。日野町とか西会津町は多分そうじゃないと思うんですけど、振りかざすと、何か今までの良さが壊れてしまうんじゃないかってことですよね。

(やすしくん)
うん、ほんと思います。

(けんちゃん)
そこに恐れをもっていかないとって。

CDOもそうですし、参与もそうなんですけど、やっぱり「偉い人!」ってなっちゃうので、役場的なさっきのやすしくんのセッションで「昭和的なるもの」の構造がもしあるとすれば、そういったポジションと責任持った人が言ったときに、「はっ!」ってなって、何かそれを一生懸命することになる。

それはをすごく気をつけているということですね。自覚しながらしないといかんなっていうのは思ってるので「恐る恐る」なんですよね。

(やすしくん)
まさしく。何か壊しちゃうって、本当に何か今までやってきたことが別に悪いことでも何でもなくてっていうのがあって。

すごい洗練されてるんですよねっていうとこあってね。ほんとこれはもうゼロから壊して作り直すんだみたいな、風潮もあるのはあるんですけど。

(けんちゃん)
そういう言葉の由来もあるし、確かにそうおっしゃる方はいらっしゃいますから、いやそうじゃないんだっていうのは、「政策参与のおはなし」でも取り上げていて、そう言うと、皆さん安心するというか。

何か「自分たちが何かまずかったかな」みたいな。どうしてもね、感じてらっしゃるんですよね。

そうそう、グラレコにも入れていただいてますように「言葉にできてないだけ」で、そのままね、DXっていう言葉が登場してるから、そうしたものを入れようとしてるだけで、別にその言葉を使わなくても成り立つので、考え方みたいなもの、DXっていう言葉が登場してきた経緯と、今も現在進行系でやってる中に汲むべきことはあると思うので、それを無視しようということではきっとないと思うんですけどね。そこは、やり方あるよねっていうのはすごい感じるわけで。

今回西会津との話。日野町との話それぞれ全然特徴が違っていて、あの蒲生氏郷繋がりっていうのはありますけど。

それぞれ違ってていいっていう部分と、その違いが何かっていうのはすごく大切なことなので。「西会津のデジタル戦略、これいいよ」って言って、それをそのままパクろうとは思ってないです。

ただ、ああいうものがなぜ生まれるのか、っていうところはぜひパクリたいというかですね、生まれる素地、重要なポイントだと思うので、そこを引き続き考えたいなって。

(やすしくん)
それはもうそうっすね。ほんと各課長の皆さんと1on1で話して、他に関係者入れずにっていう感じでいろいろお話聞くと、皆さんやっぱ熱い思いを持って仕事をされていたりとかして。

そういうのをないがしろにして、何か新たな仕組みをっていうよりは、何かその力、その方向性にあったような形でツールというか、運用もそうなんですけど。より良い方向性みたいなのをマッシュアップできればなあっていうところではあるので、本当に「恐る恐る」とよくつけてもらってありがとうざいましたっていうとこですね。

(けんちゃん)
コメント拾えたかな。

首長次第で取り組みが違う。

そういう「首長が生まれてくる素地」みたいなことを含めると、首長次第とは言えると思います。首長に全部寄りかからしめるのもちょっとどうでしょう。我々は首長に任命されてるみたいなとこもあるので、「首長の言っていることそうだよね」っていう部分と、むしろ「そうではない」っていうのも勇気をもって言わないといかんというのもあるかもしれないですね。

ていうとこで、はい時間が来ました。やすしくんはまたクラハで。

(やすしくん)
そうですね。

(けんちゃん)
続き延長戦でできるので。皆さんありがとうございました。

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