【完全版】ニュアンスで掴む前置詞!

 英語の学習で重要となるのが“to,for,up,from,on,in,at”などの「前置詞」です。さまざまなフレーズ表現に使われるこの前置詞は、そのパターンを覚えるだけでも膨大なものとなります。イディオムなどを含めてこれらを丸暗記している人もいるのではないでしょうか。しかし、英語の話せる外国人は、前置詞をわざわざフレーズに対応させて1つずつ覚えているわけではありません。

 なぜしないのか、これは日本人で考えてみるとよく分かることです。スピーチの挨拶や公式の会話で言葉を覚えてそのまま話すのと、柔軟に言葉を選んで日常会話やビジネス会話を成立させるのは全く異なるのです。おそらく、日本人が前置詞のパターンをすべて覚えるには、学習時間を10年かけても時間が足りません。それは、前置詞の前後の単語や文脈が無限に変化し、それを覚えることのほうが大変だからです。

 例えば“to”だけの前置詞を「正確にパターン化して覚える」と決めても、覚える文章の数が多すぎてそれすら難しいのです。高校・大学受験や英検、TOEICなどの試験で例文を覚えて学習したことがある人なら、それがどれだけ難しいことなのかすぐに気づきます。熟語を含んだ1文を覚えるのに苦労した方もいるのではないでしょうか。それをあらゆるパターンに前置詞で対応させるのは無謀の一言につきます。

 では、どのようにして前置詞は使い所を見分ければよいのでしょうか。状況や文脈が変われば前置詞も変わってしまうため、日本語に訳して前後を組み合わせた丸暗記は意味がありません。

 例として、“turn to the left”は方向を表す“to”として使われています。しかし、これを覚えてもあまり意味はなく、方向を指す前置詞には他にも“from,for,into,through,beyond”などがあり、「左方向に曲がる」という方向のニュアンスや感覚だけではこの前置詞を捉えることはできません。

 具体例を挙げてみましょう。英語を学び始める人の多い中学1年で習う簡単な例文の中には、“go to school”というフレーズがあります。この“to”は「場所」を指します。しかし、場所を示す前置詞はat,on,inなどがあり、“school”だけを見れば“to”でなくても問題ありません。“at school”や“in school”でも問題なく通じるのです。“go to school”が“to”であるのは、後ろに“school”があるからではなく、前に“go”があるためです。

 “go”は「行く」という単語で、“to”が「~(どこどこ)に」です。“at school”では「学校にいる」と訳せるため、“go”を前に付けることは基本的に出来ないとわかるでしょう。一般的に“at school”ではbe動詞が前に来ます。“I'm at school”で「私は学校にいる」と表現します。
そして、“in school”は「在学中(学生)」と訳します。

 このように、前置詞は「状態」と「動作」と「時間」を文章の関係性の中で決めるため、「“to”は「場所」に使うんだ!」「後ろに“school”(建物や施設)があれば使うのでは?」といった単純な決め方が出来ないのです。

 以上は英語を学び始めたばかりの単調な文章による“to”の使い方です。しかし、文章が修飾語や前後の長い修飾詞の文まで含めると前置詞がどんな目的で使われているのかを把握するのは大変になってきます。特に日常英会話やビジネス会話、口頭試験などでは紙に書いて文章を作るわけにもいかないため、上からアウトプットすることが求められます。そのとき、前置詞選びは名詞や動詞などよりもよっぽどつまづきやすい品詞といえるのです。前置詞を正しく使うためには、それぞれがもつニュアンスを意識しながら日々使うことが必要とされます。普段からその前置詞が「なぜ使われているのか?」「違いがどこにあるのか?」を意識するだけで、例えばこの文では動きまで含めてこの“to”が使われているとか、距離感が近いほうが“at”だとか、接地面のニュアンスがあるのが“on”といったことがわかってくるのです。

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