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研かずお
2022年12月31日 03:43
暑い夏はとにかく涼を求める。コーヒーはアイスを、ラーメンより冷やし中華を、温泉より海を求めがちだ。そんな暑い中でも、一人だけ異端児がいる。カレーだ。あいつは、辛いくせに夏になると食べたくなる。汗をかきながら、スプーンの上に作られた美しい比率のルウとライスを口の中へと放り込む。カレーには夏が似合う。その日もうだるような暑さだった。コンクリートから立ち上るムンムンとした熱気がパンツの中にまでし