見出し画像

2022.08.21 田んぼの生き物新顔発見&イノシシ被害

最後にビオトープ&水田を訪れてから一月以上も空いてしまいました。

現地で世話をしてくれるWさんも夏は出張が多く、なかなか管理が行き届かないで時間が過ぎてしまいました。そんな中、Wさんから「田んぼがイノシシに荒らされたらしい」との連絡があったので現地をみてきました。

水田の様子

随分稲が成長していた

水田の一部の稲が食べられていた?ように見えました。畦もイノシシが通った跡があり、ぐちゃぐちゃになっていました。(私が歩いた跡もありますが、その前から跡がついていました)

イノシシが通った跡(?)

まだ電柵を設置していないので、収穫に向けて電柵設置を検討しないといけないですね。

稲の生育はおもったより順調ですが、いかんせん水田雑草が多いので、どれだけの収穫が見込めるかは未知数です。

水田の半分は稲を植えていないのですが、植えたかのように大量の雑草(イヌビエ)が生えているのに驚きました。葉っぱだけみると稲に間違えてしまいます。うまく擬態していると感心してしまいました。

イヌビエの穂。これを見ると稲との違いがわかります。
葉っぱだけでは稲との違いを見分けるのは難しいです

稲もちょうど出穂時期らしく、今後も引き続き適度な雨が降ってほしいところです。

出穂しはじめた稲

田んぼ生き物調査

田んぼの生き物も少し調査しました。

初めてミズカマキリの幼生を見かけました。成虫はなんども見かけているのですが、ちゃんと繁殖もしてくれているようです。よかった!

今日はあんなにたくさんいたイモリを見かけませんでした。雑草が多くて隠れていただけかもしれません。

ミズカマキリ幼生

ヒメゲンゴロウ、ヒメガムシをみつけました。以前、Wさんが田んぼでガムシをみつけたようなので、私も見つけてみたいです。

ヒメゲンゴロウ
ヒメガムシ

初対面!トノサマガエル

この田んぼ&ビオトープでこれまでみたことがなかったトノサマガエル(愛媛県絶滅危惧2類)をみつけました。生物多様性が豊かな水田では、トノサマガエルのオタマジャクシが無数にいて、それを食べる生き物たちも多く集まります。そんな水田を見てきたので、この田んぼでトノサマガエルがいないのは、少し寂しい気がしていました。

近くにはいるらしいと聞いてはいましたが、これまで姿を見かけていなかったので諦めていました。だから、みつけたときはテンションが上がりましたよ!!

大型のカエルなので、大量の虫の捕食が期待できます。つまり稲の害虫を沢山たべてくれるということです。お散歩だけでなく繁殖もしてもらいどんどん増えてより多様な環境になると素晴らしいです。

ここの田んぼでお初のトノサマガエル

田んぼは、無農薬なのでとにかく水田雑草が多かったです。何度か草取りはしましたが、まだ足りないのかもしれません。来年からは少し頑張って除草しないといけないようです。

水田雑草として悪名高いコナギ

その他、田んぼで多様性溢れる生き物たちを見つけました。左上から時計回りでイオウイロハシリグモハネナガイナゴツチイナゴナガコガネグモニシキリギリスです。

他に見かけた田んぼの生き物たち

ビオトープの様子

次にビオトープも行ってみました。以前、ビオトープの中でイノシシが入ってヌタ場にしている様子を発見しました。

7/12時点で荒らされていたビオトープ
マコモは丈が高いので目立つ

相変わらず草がものすごいですが、一応水は浸っています。マコモやクワイも確認できたのですが、一部のマコモやクワイが食べられていたようでした。ビオトープもイノシシ避けの電柵をきちんと稼働させないといけないようです。

食べられてしまった(?)マコモ

ビオトープは、裏手が山なので最もイノシシの出入りが激しいと推測されます。今後はイノシシ対策もきちんとやっていかないといかないといけないです。

ビオトープの生き物調査

ビオトープの生き物も少し調べてみました。これまで見かけなかったギンヤンマのヤゴをみつけました。

このビオトープではシオカラトンボハラビロトンボが多く生息しているので、今後はギンヤンマが空中の覇権を握るのかもしれません。

ギンヤンマのヤゴ
こちらも色違いのギンヤンマのヤゴ

クロゲンゴロウ(愛媛県絶滅危惧2類)の幼虫も確認しました。以前も幼虫を確認しましたが、同じくらいの大きさ(2令幼虫程度)だったのでまた別の個体のようです。どんどん繁殖してほしいです。

クロゲンゴロウの幼虫
コミズムシを捕食するクロゲン幼虫

同じように産卵までは確認したガムシですが、幼虫はまだみかけていません。ガムシが好物のモノアラガイ、サカマキガイなどの巻き貝はこのビオトープには生息していないので成長できなかったのでしょうか?ガムシの幼虫の確認もしたいところです。

ミズカマキリも同じく複数匹見かけました。ミズカマキリは大型水生カメムシ類の中でも行動範囲が広くどこにでも現れてくれます。

コオイムシやタイコウチのような局所性の高い水生カメムシ類もなんとか来てくれると嬉しいのですが。。。

安定のミズカマキリ

田んぼ、ビオトープともに、稲の収穫に向けてイノシシ対策も本格的にしていかないといけないようです。元々この場所を使うと決めた時に最大のリスク要素がイノシシでした。ある意味想定内なので、あとはどこまでイノシシと知恵比べできるかが鍵です。

草が物凄いビオトープだが、一応水はある。

新しい生き物も確認でき、合間を縫っての短い時間の訪問でしたが充実していました。次は草刈りと生き物調査をしににゆっくり訪れようと思います。

皆様のサポートによって、より新たな知識を得て、知識と知識を結びつけ、実践した結果をアウトプットして還元させて頂きます。