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NVCとパーマカルチャーの繋がりの真の意味

NVCの前提を読んで

由佐 美加子さんのAuthentic LeadershipでNVCの前提をじっくり見る機会があった。

バージョンは違うがこの前提の8番を特にみていて気づいたことがある。

http://nvc-japan.net/material/key_assumptions_and_intentions_of_nvc/

人類は共生を通してニーズを満たす:私たちは多くのニーズを他者との関わり合いを通して、または自然とのつながりのなかで満たしますが、いくつかのニーズは主に自分自身との関係性の質を深みを通して満たされ、さらにいくつかは人生のスピリチュアルな次元と関わっています。他の人のニーズが満たされないとき、自分のいくつかのニーズもまた、満たされないことがあるでしょう。

この文章は「人類が共生を通してニーズを満たす」とあるが、実は生態系の共生関係、つまりお互いの生物が生かし生かされる関係そのものだったということに気づいた。

生態系の生物間の関係性を、人間という種に照らし合わせてみた時に「ニーズを満たしあう」ということになる。

パーマカルチャーの倫理


実はこのことは、パーマカルチャーの倫理とも非常に近しい。パーマカルチャーの4つの倫理は次のようなものだ。

https://pccj.jp/permaculture/definition/

  • 自己への配慮

  • 地球に対する配慮

  • 人に対する配慮

  • 余剰物の共有

自己への配慮は、NVCの自己共感に基づくニーズへの意識の向け方に等しい。まず自分自身のニーズに自覚的になって気を配ることがスタートだからだ。

人に対する配慮はまさに人が持つ基本的ニーズそのものに意識を向けることだ。人が持つ基本的ニーズとは人類共通のものであり、配慮し大切に扱うことは重要な要素だ。

そして余剰物の共有は、自分のニーズを満たして余ったものを共有するということだ。ニーズが満たされた状態で物を溜め込むのでなく、ニーズが満たされていない人々に分かち合うという態度が重要だ。

そして人に対してだけでなく、地球という星のすべての存在を慈しむという観点がパーマカルチャーでは大事にされる。

NVCとパーマカルチャーの繋がり

パーマカルチャーは、生態系を含めたエネルギーを循環させる繋がりをデザインすることで、持続可能な暮らしや社会を実現しようとするデザイン体系だ。生態系の繋がりとは生物同士のニーズの満たしあいであり、人はそれぞれのニーズを自覚し満たしながら、他者のニーズにも答えていく関係性こそが、豊かな生態系と同じであるということだ。

ここ数年、ソーヤー海さんが、パーマカルチャーの文脈からNVCを伝えているのに気づいた。しかしなぜパーマカルチャーとNVCが繋がっているのかがピンときていなかった。

パーマカルチャー的には人の集団(=コミュニティ)もデザイン対象となり、その流れでNVCが関連するのだと漠然と考えていた。しかし、今回のNVCの前提を理解して、本質的にはニーズの満たし合いとは、人と人とのエネルギー循環であり、生態系を意図的に生み出すこととなんら変わりはないことがよくわかった。

どこから始める?それは自己共感

そして、何から始めればいいのかという観点では、自己への配慮=自己共感がスタートととするのが良いのではないだろうか。

多くの人は、無自覚に自分を責め続けている。「xxxできない自分はダメだ」「価値を出さないと自分に存在意義はない」「誰にも理解されない」「愛されない自分はダメだ」というように自分を責めて自己分離を起こしている。このような状態だと分離の奥に潜んでいる自分のニーズに繋がれていない。

自己への配慮・自己共感を実現するには、NVCの自己共感、そして自己分離している自身に気づいて、それを癒していくというプロセスが重要となる。それの一つの方法が由佐さんのメンタルモデルへと繋がる。

自己を大切にできないと、他者を大切にできない。自己犠牲でもなく、利己的でもなく、自分も相手も大事にするためには、まず自分を大切に扱うことだ。自己を分離したままでは、分離している部分を他者に投影して、むしろ関係性が悪くなる。(このあたりはメンタルモデルに詳しい)

今回のNVCの前提を読んで、NVC、パーマカルチャー、メンタルモデルが強く結びついていることに気づけて本当によかった。

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